<高校野球北北海道大会>◇29日◇旭川地区B地区代表決定戦
旭川龍谷が4番・藤井翔汰右翼手(3年)の活躍で旭川南を6-3と撃破、2年連続28度目の代表切符を手にした。5回には3番打者を敬遠されたことに発奮し、満塁の走者を一掃する三塁打。2点差に迫られた9回には、ダメ押しとなる左前適時打でとどめを刺した。春夏合計で8度甲子園に出場している強豪が、強力4番のパワーで久々の聖地を目指す。この日、全道で南北17代表が決まった。
これが4番の仕事だ。旭川龍谷が頼れる主砲・藤井のバットで強敵に引導を渡した。1点リードで迎えた5回には3点三塁打で流れを一気に引き寄せ、最終回には反撃ムードを断つダメ押しの適時打。伊藤新平監督(59)が言う「甘えん坊できかん坊」が、北北海道大会への道を切り開いた。
1-0で迎えた5回表2死二、三塁。この局面で旭川南・小池啓之監督(56)の取った作戦は、3番の西條賢史朗中堅手(2年)を敬遠して藤井との勝負だった。最終盤の1点を争う場面ならある手だが、まだひと山もふた山もありそうな段階。伊藤監督が「あそこで敬遠とは」と驚いた小池流勝負手に、主砲は静かに燃えた。
藤井は「正直、悔しかったです。でも自分の感情を抑えてチームのために、と思って振った」。チーム一の長打力を持つが、監督からはいつも「4番でなく4番目の打者だ」と言われ、チーム打撃に徹してきた。今回もいつもの姿勢を崩さなかった。小池監督は「3番が一番いい振りをしていた。4番は緩い球に対応できないのではと読んだが、私のミス」と4番の底力に脱帽した。
ヒーローこそ藤井がなったが、全員でつかんだ勝利だ。チームの調子は良くはなかった。1回戦(旭川明成)2回戦(旭川凌雲)とも6-4の辛勝。3年生主体のチームだけに「最後の夏にかける思いが空回りしていた」と藤井。代表決定戦前夜は3年生だけで話し合いを30分持ち、お互いをカバーし合うことを確認して臨んだ。
「藤井の前の1~3番が出て4番につなげていた。みんなで勝った勝利です。3年生対3年生の(夏にかける)思いの戦いで、ウチの方がちょっと勝ってくれたかな」と指揮官はナインをたたえた。23年ぶりの夏の甲子園へ、強竜が走りだした。