中国に虫や鳥はいるの?  | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

「 三人寄れば虫の知恵 」

養老孟司 (ようろう たけし) 1937~  解剖学者

奥本大三郎 (おくもと だいざぶろう) 1944~ 仏文学者

池田清彦 (いけだ きよひこ) 1947~ 生物学者

株式会社 洋泉社 1996年4月発行・より

 

 

 

 

奥本 中国だとポプラとかプラタナスは、並木がずーっと続いてあるんだ

    けど、そこには虫はなんにもいないですよね。

 

 

    真夏に十日間ぐらい中国にいて、見たチョウはシロオビアゲハばか

    り。

 

    あんなにつまらないことはない。

 

 

    香港だと ウスキシロチョウの類と、ルリマダラ。

    あとはやはり シロオビアゲハばかり。

 

 

    香港は自然保護区域に行くと少しはいるんですけどね。

 

 

    中国の街の近くは徹底していません。

 

 

    ごく一部いる場所は、むかし蒋介石の別荘だったところとか、四川省

    の青城山とか峨眉山とか山の中ですね。

 

 

    雲南の奥まで行くとさすがにいるだろうけど。

 

 

池田 あのへんはもう中国という雰囲気じゃないからな。

 

 

奥本 つまり、漢民族が立派な文化をつくったところはみんな駄目。

 

 

    洛陽なんか、九朝の首都として栄えたところですが、あれぐらい

    徹底して自然のないところもない。

 

 

養老 本読んでりゃ、行かなくてもわかる。

 

    中国の本には虫のことは一言も書いてない。「論語」 読めばわかる

    よ(笑)。

 

 

奥本 行けばかすかな期待が撃ち砕かれる(笑)。

 

(略)

 

奥本 カラスは残飯で増えたんだと思いますよ。

 

 

    だけど中国にはまったくカラスがいないのは どうしてですかねぇ。

 

 

池田 食いものがないんでしょう。

 

 

奥本 殺しちゃったんじゃないでしょうかね。

    黒くて不吉な感じがするから。

 

 

    太古には神の遣いみたいは扱いもされてるんでうけどね。

 

 

養老 ねぐら がないんじゃないですか。  あれは、森がねぐらでしょう?

 

 

奥本 そういえばそうですね。

 

 

養老 中国は木がないでしょう。

 

 

奥本 なるほど。  でも、もっと人が関わっていそうな気もする。

 

 

 

 

 

鹿だって休憩所で休みします。  奈良公園にて10月30日撮影