会社に来たアンケートは誰が書くのか? | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

「 栄光の日本文明  世界はニッポン化する 」

日下公人  /  渡部昇一  /  竹村健一

株式会社 太陽企画出版 2006年8月発行・より

 

 

 

竹村    一方、昨年のはじめに産経新聞社が主要企業百二十三社を

       対象に、「景気はどうなると思いますか」 というアンケートをし

       たところ、「まだ悪い」 とほとんどの企業が回答していました。

 

 

       ところが、今年のアンケートではほとんどの企業が、「景気はよ

       くなる」 といってます。

 

 

        つまり、『エコノミスト』誌はなんと二年前から 「ジャパン・イ

       ズ・フライング」、日本は再び浮上するといっていたのです。

 

 

       その後、昨年の十月頃に渡部さんがいわれた 『日は再び昇

       る』 という特集記事を組んでいます。

 

 

       海外のメディアが日本の再浮上を繰り返し伝えているのに、国

       内では 「日本の景気はまだ悪い」 といわれ続けていました。

 

 

        ですから、日本のマスコミのいうことだけを鵜呑みにして信じ

        ていると、世界の潮流、真実からは二年遅れてしまうというこ

        とです。

 

 

 

日下     新聞がそう書く根拠は、会社へのアンケートです。

        それも日本銀行や経産省が実施したアンケートです。

 

 

         そうしたアンケートには会社の社長が答えているわけでは

        ありません。

 

 

        社長は 「お前やれ」 と調査部長にいいつけ、それが調査課

        長から最終的には新入社員のところに回ってくるのです。

 

 

 

竹村    本当ですか(笑)。

 

 

 

日下    はい。そうすると、結局、新聞と同じことを書くのが一番いいと

       いうことになります。

 

 

       若い人が自分の思ったことを書こうとしても、結局上司が 

       「世間に合せとけ」 というんですよ。

 

 

竹村    ハハハ。

 

 

日下    会社では一年前くらいに 「わが社の次年度計画」 といったも

       のをつくります。

 

 

       ああいうものは、だいたい’渋く’つくるものなんです。

 

 

       「まだまだ厳しいぞ。皆がんばれ」 といった激励の意味を込め

       てつくります。

 

 

       その計画ができ上がったとき、日本銀行から調査が来たら、

       担当者はその通り書きます。

 

 

       誰も自分の意見など出しません。

 

 

        ですから揃って、「これからますます不景気になるから、がん

       ばれ」 という結果になってしまいます。

 

 

                                                            

 

 

 

 

9月3日に~「会社の決定」は誰がする?と題して山本七平と小室直樹の対談を紹介しました。コチラです。 ↓

https://ameblo.jp/hitosasiyubidesu/entry-12384377093.html

 

 

 

 

 

10月8日 朝霞(埼玉)市内にて撮影