倒産の危機に社長は・・・ | 人差し指のブログ

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本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

 

 

こんなにすごい 日本人のちから    だから、日本の未来は明るい

日下公人(くさか きみんど 1930~)

ワック株式会社 2007年3月発行・より

 

 

 

朝鮮戦争特需が消えた頃の日本経済は不景気に沈んでいた。

 

 

甲南カメラ研究所というカメラ会社も同じだった。

 

 

「ローマの休日」 という映画でグレゴリー・ペック扮する新聞記者が、ライターと見せかけてオードリー・ヘップバーンを盗み撮りするのに使った超小型カメラのメーカーで、映画のヒットによりアメリカの兵隊にはたくさん売れたが、その後がつづかなくて倒産に瀕していた。

 

 

 このままでは二年後には倒産する・・・・という状態になったが、

そのときの社長の決断が凄い。

 

 

社長は何をしたか、クイズにしてみよう。

 

① 経理を公開した。

② 従業員を30%リストラした。

③ 給料を30%カットした。

④ リストラはしないで、逆に給料を30%アップした。

⑤ 自分が辞職した。

⑥ 倒産して清算した。

⑦ 大手に吸収してもらった。

 

 

答えは ① と ④ だが、それにはこんな説明がついていた。

 

 

「 わが社は給料を30%あげることにする。これによって倒産は早くなる。

一年後である。やめたい人はそれまでにつぎの仕事を探せ。

やめたくない人は死に物狂いでヒット商品をつくれ。

もし新商品が成功すれば30%アップの給料はつづける・・・・・・」

 

 

この対策が正解だったことはコーナン16という新商品の成功によって分かった。

 

 

どうですか。打開力の好例に使えると思いませんか。

 

 

この失われた十年間、たくさんの銀行や会社が潰れたが、そのときこういう打開力をみせてくれた会社の話は寡聞にして知らない。

 

 

 

大坂の財界でこの話をしたら、

「甲南さんはその後立ち直っていまも元気にやっています」と教えてくれたが、自分の会社もそうする   とは誰もいわなかった。

 

 

打開力は社員にあるのか、それとも社長にあるのか・・・・

 

 

広島のモルテンの民秋史也社長にこの話をしたら、

「業績が好転したら給料をアップするとは誰でもいうが、社員はなかなか信用しない。だからそれを先払いするところがよい」 といった。

 

 

 

 

 

6月4日 朝霞中央公園(埼玉)にて撮影