同志社大学元学長の言った事がヒドイ | 人差し指のブログ

人差し指のブログ

パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します

 

 

 

『中国人と韓国人が作った「インチキ神話」に操られる日本人!』

黄文雄(こう ぶんゆう 1938~)

株式会社 ヒカルランド 2013年6月発行・より

 

 

 

戦後の代表的な知識人といわれる人の言説には本当に聞くに堪えないものもある。

 

たとえば日本の平和主義者の代表的人物である田畑忍(たばたしのぶ)・

元同志社大学学長は、著書『近現代世界の平和思想』(ミネルヴァ書房刊)の中でこう言っている。

 

 

「偉大なヒューマニストであるレーニンは、クラウゼヴィツの戦略戦術論を活用して革命的先術理論をみごとに樹立したうえに、ソ連の革命にも成功した」

 

こう記述することで、田畑忍はレーニンを反戦主義者のヒューマニストに仕立て上げ、「国家によって国家を否定し、権力によって権力を否定し、戦争によって戦争を否定せんとする」 非戦、反戦の聖人だとしたのだ。

 

 

 

 しかし、実際にはレーニンは平和主義者でも反戦主義者でもなく、自分で起こした戦争は正義の戦争だと正当化し、その他の戦争はすべて 「不義の戦い」 だと決めつけていた。

 

 

そしてロシア革命だけでなく、世界革命、人類解放の戦争を繰り広げた実践的革命戦争の元祖だというのが、世間一般の常識である。

 

 

 

田畑忍の著書でさらに滑稽(こっけい)なのは、「毛沢東はレーニンの戦争否定論を発展させた」 と述べていることだ。

 

 

そこでは毛沢東の 『矛盾論』 を引用し、「永久平和実現のために必要不可欠な戦争とは革命戦争であり、民族解放戦争である。それは永久平和獲得のための戦争である」 としている。

 

 

さらに毛沢東の 『矛盾論』 と 『戦争論』 は戦争主義の論理ではなく、平和主義の論理であるとも言っている。

 

 

そして孔子の提唱した 「仁」 が 『矛盾論』 の基礎になっていると礼賛し、レーニンも毛沢東もマルキシズム的な平和論の完成者であるとまで言っているのだ。

 

 

ここまでくると笑止千万どころではない。わざとらしい歴史の曲解とすり替えである。

 

 

毛沢東とは周知の通り、本人も平和主義を否定し、みずからはっきりと 「好戦主義者」 であると認めてはばからない人物であった。

 

 

国共内戦、大躍進、文化大革命の主役でもあった。

 

 

毛沢東の理論と実践のもとで、いったい何千万人の中国人が餓死し、何千万人が殺されたか、歴史がすでにそれを物語っている。

 

 

田畑学長にかぎらず、日本の平和主義者は平和とは何かをもっと深思熟考(しんしじゅっこう)すべきではないだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

5月7日 光が丘 四季の香ローズガーデン(東京・練馬)にて撮影