「世界は邪悪に満ちている だが、日本は・・・・。」
日下公人(くさか きみんど)・高山正之(たかやま まさゆき)
ワック株式会社 2015年12月発行・より
<高山> その白人たちが、イスラムが持っていた科学知識を利用して武器をつくり、世界制覇をした。
それで十九世紀くらいから 「白人種が最高だ」 という神話を勝手につくり始めた。
<日下> そうですね。
<高山> オリンピックだってそうでしょ。
近代オリンピックは、白人種が一番優秀で力強くて格好いいということを誇示(こじ)するための大会ですよ。
ノーベル賞にしても、白人が一番頭がいいことを宣伝するためにつくった。
だから、白人より頭のいい北里柴三郎が出てきたときにノーベル賞をとらせなかった。
ノーベル賞は白人のものでないといけないからです。
十九世紀末に、近代オリンピックとしてオリンピックを再興し、
ノーベル賞をつくって、白人種が一番優秀であることを世界に広めようとした。
国際人類学会もそうです。
白人種が一番優秀であるということを学術的に決めるために立ち上げられた。
<日下> そのときに根拠になったのがダーウィンの進化論ですよ
「これは、使えるぞ」 って。
<高山> 洗濯するのと同じで、洗っていけば黒からだんだん白くなっていったという言い方をしてたんですよね。
だけど、いくら言い張ってみても、白人は黒人のアルビノというところに行き着いてしまう。
調査すればするほど、黒人と似ていることがわかってきてしまった。
それで国際人類学会は二十世紀の半ばくらいにやめてしまって、
休会になっているんですよ。
「開けよ」 って思うんですけどね。
<日下> 彼らは 「適者生存で、現に白人が支配しているから、これでいいんだ」 と言っている。
事実が裏付けていると言ったわけですよ。
(略)
<高山> 日下先生は、アメリカの司法長官を務めたキャレブ・カッシングの話を引用されていますよね。
「我々は優れた白人種に属し、つまり男性にあっては知性の、
女性にあっては美しさの完璧な具現化」 と言っている。
彼らは、白人種が一番優秀だから、
黄色人種と交わってはいけないという思い上がりを持っている。
白人じゃなきゃ人間じゃないというようなことです。
これはすごい話ですよ。
十九世紀くらいに 「世界制覇した」 と思ったときに、
彼らはこういうプライドを持った。
<日下> そう。持ったんですよ。
そうしたら日本人が出てきて、日露戦争に勝って、
北里柴三郎がノーベル賞までとりそうになった。
白人は困っただろうね(笑)。
光が丘夏の雲公園つばき園(東京・練馬)にて3月17日撮影