「これからの日本を読み解く 日本の将来はじつに明るい!」
日下公人・上念司
ワック株式会社 2015年3月発行・より
<日下> 環境整備からやろうということで、投資条件調査団が世界中からベトナムに行きました。
もちろん、日本からも行った。そのときに日本の調査団は 「電気代はいくらだ」 などと聞いていた。
なぜ、「賄賂(わいろ)をいくらとるか」「この手続きは一年で通るか」と聞かないのでしょう。
民間事業の人の話によると 「日本は公明正大でいいのだけれど、時間がかかる。こんなことなら賄賂をとってくれ。賄賂をとって一年でイエスかノーかの判子を押してくれたら、その間にうんと儲けてみせる」 と言う。
「タイム・イズ・マネー」「時は金なり」 なのです。
早く済ませるためにチップを渡す。もともとチップはそういうものです。
<上念> 特急料金を上乗せして払うみたいなものですね。
<日下> そう。きれいごとを書いておけばマスコミは済むけれど、商売人は違います。「これはチャンスだ。俺だけ早く抜け駆けしよう」 と考える。
大阪商人はそうですね。その点、東京商人は全然、駄目です。
<上念> でも、日本では政府関係者に 「チップ」 を渡すと捕まってしまいますから、なかなか難しいですね。
その分、ガチッと上からやる制度が機能しているのだから、もっと回転を速くすればいいんですが、役所だけが遅い。
10月9日 中央公園(埼玉・朝霞)にて撮影