吉川幸次郎の葬式 | 人差し指のブログ

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「世界のなかの日本   16世紀まで遡って見る   
司馬遼太郎/ドナルド・キーン
中央公論社 1992年4月発行・より

<司馬>   吉川幸次郎(よしかわ こうじろう)先生という人は、現代人には珍しく儒者の意識をもっていました。

そして、純粋に儒者として生きたいと思っていたので、仏教は儒教に対立するものとして嫌いでした。

ところが、私は吉川さんのお葬式に行きましたが、仏式でした(笑)。

浄土真宗でした。

<キーン>   どうしてもそうなります。

国学者の本居宣長(もとおり のりなが)(1730~1801)でも、浄土を信じていたにちがいないと思います。

<司馬>   ああ、おそらくそうだと思います。

そういえば、思想がありすぎたのかもわからないなあ・・・・・・。

江戸時代にお葬式まで儒教まで儒教でやろうと言った人は山崎闇斎(やまざき あんさい)(1618~82)だけだったかもしれませんね。

お葬式は坊さんに任せるべきだということで、それは闇斎のような奇人のすることだと思われていました。

中央公園(埼玉・朝霞)にて7月31日撮影