中華思想と卑弥呼の名前 | 人差し指のブログ

人差し指のブログ

パソコンが苦手な年金生活者です
本を読んで面白かったところを紹介します



「相手が悪いと思う中国人 相手に悪いと思う日本人」
加瀬英明 石平
ワック株式会社2012年12月発行・より

<加瀬>  中華思想はね、自分だけが正しく、真っ当なんです。

倭(わ)の卑弥呼(ひみこ)にしても、「倭」は背丈が低い、小人で汚らしいという意味です。

倭国と呼ぶのは失礼ですよね。卑弥呼が実在したとして、自分に卑しいなんて名前をつけると思いますか?


<石平>  それは変ですよね。

<加瀬>  倭人伝は『魏志(ぎし)』の東夷伝(とういでん)のなかに出てきますね。

倭人伝には、卑弥呼の高官の名前が掖邪狗(やくやこ・門のそばの嫌らしい犬)とか。

<石平>   そりゃ、ひどい。

<加瀬>   倭人伝の時代の日本から、漢字が刻まれている銅鏡が多く発掘されているから、こちら側(がわ)もそのくらいの漢字は読めたはずです。

卑弥呼の邪馬台国と戦争した、といって書かれているのは狗奴国(くなこく)です。イヌのような奴隷。

いったい、どこの誰がそんな名を名乗りますか?

中国人はあの頃から華夷思想を抱いてきました。福建省の沿岸に住んでいる民族といえば、昔は全部、獣偏か虫偏の名がついていた。

<石平>  中華民族は、周辺民族を「食う対象」にしている。結局そうなるんです。

<加瀬>  華と夷ですが、中国だけが真っ当な文明であって、四方の民はみな、東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)、北狄(ほくてき)、南蛮(なんばん)と呼んでいます。

   孔子は儒教の五経の一つ『春秋』ななかで、夷を「中国に服従しない胡(こ)」と定義していますね。「胡」は夷と同じえびす、野蛮人ですね。

「磯波 いそなみ」という品種です 練馬区立夏の雲公園つばき園(東京)1月23日撮影

椿 磯波