ソコにあるのは思いを馳せるバカでかい野外フェスの光景。
小雨が降っていて僕は愛想の無い言葉を一つ放つ、一時の静けさが掌を返す様に波打つ歓声に変わる。
その様な妄想は全く実現しないまま、上京して何度目かの春を迎える。
むくっと起き上がり大して弾き切れていない無駄に高いテレキャスターに手を伸ばしては『良い曲が出来た』と満足気に床につくも次の日には駄作だと思い知らされる。
そんな日々はこれといった色はなく、無色透明と呼ぶには少々小汚い毎日なのだが抜け出す程の何かが僕に備わっている訳は無く、ただサラサラと両の手から時間だけがこぼれ落ちていた。