参考資料1076 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

十字架 その2
「イエスは兵士たちから、囚人の赤いマントを着せられ、頭にはいばらの冠をかぶせられ、で打たれながら、重い木の十字架をかついで、処刑場のゴルゴタ(どくろの意)の丘に向かって歩かされた。マグダラのマリア、小ヤコブの母のマリア、その他かなりの女たちが、その後をついていった。例のサロメもその中にいたという。
 丘につくと、イエスは二人のべつの強盗の間にはさまれて、裸にされて十字架にしばりつけられ、手足には釘を打たれた。
 祭司長や学者たちは、イエスを見あげて、嘲って言った。
「おまえは神殿をうち壊して、三日のうちに建ててみせると言ったではないか。おまえが神の子なら十字架からおりてみよ。」
 並んで十字架につけられている泥棒たちまでが彼を罵った。
 しかしイエスは、こう言ったという。
「父よ、この人々をおゆるしください。彼らは自分がなにをしているのかわからずにいるのですから。」(ルカ伝23)
 イエスの死は苦しいものだったようだ。正午前に十字架にかけられ、槍で突き刺され、息をひきとったのは三時頃となっている。その間、太陽は光を失い、全地は暗くなったといわれる。最後に彼は声高く、
「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」(ルカ伝23)と叫んだ、あるいは、「わが神、わが神、なぜにわたしをお見捨てになったのですか」(マルコ伝15)と叫んだとされる。後者だとすると、イエスはついに神に絶望と反抗の叫びをあげたように解されるが、この「わが神」の言葉は、かねてイエスの愛誦していたダビデの詩(詩篇22)の起句であり、この詩は最後の神の賛美に終わっているので、イエスの真意もそこにあったとするのが通説だ(例えば藤井武)が、なお疑問は残る。

 これまでずいぶん長々とイエスの活動と言行を書いてきた。しかし、イエスが教えの道をときはじめてから、十字架の上で死ぬまでは、さきに書いたように、わずか二年足らずだったという。
 夜になってから、ひとりの議員がピラトの許しをえてイエスの死体をひきとり、丁寧に亜麻布でくるんで、岩穴に掘った墓地におさめてから、大きな石をころがしてきて墓をふさいだ。この議員はアリマタヤのヨセフといって、前からイエスを尊敬し、ひそかにその教えをうけていた人だった。
 小ヤコブの母マリアやマグダラのマリアが、それを見とどけた。
 そのころには、イエスを銀三十枚で敵の手に渡したあのユダは、金を神殿の賽銭箱に投げこんで、首をくくって死んでいた。」
「聖書物語・新約物語」山室静著より

感想
>例のサロメもその中にいたという。

洗礼者ヨハネの生首をリクエストした女。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%AD%E3%83%A1_(%E3%83%98%E3%83%AD%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%AE%E5%A8%98)#.E6.96.B0.E7.B4.84.E8.81.96.E6.9B.B8.E3.81.AB.E3.81.8A.E3.81.91.E3.82.8B.E8.A8.98.E8.BF.B0
ある意味、キーパーソンだよね。洗礼者ヨハネはここで死ななければいけない運命だったと思う。洗礼者ヨハネが生きていたら、イエスが天に昇った後カリスマになってしまって(本人が否定しても)、キリスト教が今日のような世界的な宗教にはならなかっただろうから。皮肉な事に世界的な宗教になったのは、イエスがいた時は敵だったパウロの力が大きい。洗礼者ヨハネが生きていたらパウロの改心もなかったかもしれない。
それに、イエスには死者の復活の力があったにも関わらず、ヨハネには施していないしね。天の父の意向か。

>イエスの死は苦しいものだったようだ。正午前に十字架にかけられ、槍で突き刺され、息をひきとったのは三時頃となっている。その間、太陽は光を失い、全地は暗くなったといわれる。最後に彼は声高く、
「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」(ルカ伝23)と叫んだ、あるいは、「わが神、わが神、なぜにわたしをお見捨てになったのですか」(マルコ伝15)と叫んだとされる。後者だとすると、イエスはついに神に絶望と反抗の叫びをあげたように解されるが、この「わが神」の言葉は、かねてイエスの愛誦していたダビデの詩(詩篇22)の起句であり、この詩は最後の神の賛美に終わっているので、イエスの真意もそこにあったとするのが通説だ(例えば藤井武)が、なお疑問は残る。

「39.そこを通りかかった者たちは、頭を振りながら、イエスをののしって
40.言った、「神殿を打ちこわして三日のうちに建てる者よ。もし神の子なら、自分を救え。そして十字架からおりてこい」。
41.祭司長たちも同じように、律法学者、長老たちと一緒になって、嘲弄(ちょうろう)して言った、
42.「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。あれがイスラエルの王なのだ。いま十字架からおりてみよ。そうしたら信じよう。
43.彼は神にたよっているが、神のおぼしめしがあれば、今、救ってもらうがよい。自分は神の子だと言っていたのだから」。
44.一緒に十字架につけられた強盗どもまでも、同じようにイエスをののしった。
45.さて、昼の十二時から地上の全面が暗くなって、三時に及んだ。
46.そして三時ごろに、イエスは大声で叫んで、「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」と言われた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。」
「マタイによる福音書」第27章39節~46節

「29.そこを通りかかった者たちは、頭を振りながら、イエスをののしって言った、「ああ、神殿を打ちこわして三日のうちに建てる者よ、
30.十字架からおりてきて自分を救え」。
31.祭司長たちも同じように、律法学者たちと一緒になって、かわるがわる嘲弄(ちょうろう)して言った、「他人を救ったが、自分自身を救うことができない。
32.イスラエルの王キリスト、いま十字架からおりてみるがよい。それを見たら信じよう」。また、一緒に十字架につけられた者たちも、イエスをののしった。
33.昼の十二時になると、全地は暗くなって、三時に及んだ。
34.そして三時に、イエスは大声で、「エロイ、エロイ、ラマ、サバクタニ」と叫ばれた。それは「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」という意味である。」
「マルコによる福音書」第15章29節~34節

「39.十字架にかけられた犯罪人のひとりが、「あなたはキリストではないか。それなら、自分を救い、またわれわれも救ってみよ」と、イエスに悪口を言いつづけた。
40.もうひとりは、それをたしなめて言った、「おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか。
41.お互は自分のやった事のむくいを受けているのだから、こうなったのは当然だ。しかし、このかたは何も悪いことをしたのではない」。
42.そして言った、「イエスよ、あなたが御国(みくに)の権威をもっておいでになる時には、わたしを思い出してください」。
43.イエスは言われた、「よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう」。
44.時はもう昼の十二時ごろであったが、太陽は光を失い、全地は暗くなって、三時に及んだ。
45.そして聖所の幕がまん中から裂けた。
46.そのとき、イエスは声高く叫んで言われた、「父よ、わたしの霊をみ手にゆだねます」。こう言ってついに息を引きとられた。」
「ルカによる福音書」第23章39節~46節

「ヨハネによる福音書」には、特に最後の言葉は書かれていないが、私は「わが神、わが神、どうしてわたしをお見捨てになったのですか」と旧約聖書「詩篇」第22篇1節の言葉を述べたと考えている。
よく新約聖書には、聖書の言葉が実現するためであるような事が書いてあるが、ここでこの言葉を言わなかったら死ぬ意味が半減するだろう。

「28.そののち、イエスは今や万事が終ったことを知って、「わたしは、かわく」と言われた。それは、聖書が全うされるためであった。
29.そこに、酢いぶどう酒がいっぱい入れてある器がおいてあったので、人々は、このぶどう酒を含ませた海綿をヒソプの茎に結びつけて、イエスの口もとにさし出した。
30.すると、イエスはそのぶどう酒を受けて、「すべてが終った」と言われ、首をたれて息をひきとられた。
31.さてユダヤ人たちは、その日が準備の日であったので、安息日に死体を十字架の上に残しておくまいと、(特にその安息日は大事な日であったから)、ピラトに願って、足を折った上で、死体を取りおろすことにした。
32.そこで兵卒らがきて、イエスと一緒に十字架につけられた初めの者と、もうひとりの者との足を折った。
33.しかし、彼らがイエスのところにきた時、イエスはもう死んでおられたのを見て、その足を折ることはしなかった。
34.しかし、ひとりの兵卒がやりでそのわきを突きさすと、すぐ血と水とが流れ出た。
35.それを見た者があかしをした。そして、そのあかしは真実である。その人は、自分が真実を語っていることを知っている。それは、あなたがたも信ずるようになるためである。
36.これらのことが起ったのは、「その骨はくだかれないであろう」との聖書の言葉が、成就するためである。
37.また聖書のほかのところに、「彼らは自分が刺し通した者を見るであろう」とある。

「ヨハネによる福音書」第19章28節~37節

何にしても聖書同士で矛盾する部分もあり、鵜呑みにしてはいけない。

>そのころには、イエスを銀三十枚で敵の手に渡したあのユダは、金を神殿の賽銭箱に投げこんで、首をくくって死んでいた。

何で死んだんだ。いい奴だったのか。中途半端な奴だな。

おまけ