参考資料867 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

ムッソリーニ―――社会主義者にして悪魔主義者
「ファシズムやムッソリーニと聞けば、マルキストの社会主義者はすぐさま“右翼”のレッテルをはるだろう。とんでもない。ムッソリーニもまた、彼らと同じ社会主義者だったのだ。
 マルクスはファシズムの“父”でもあった! ソ連やドイツの独裁政治、つまりスターリンやヒトラーほど苛酷ではなかったが、ムッソリーニの独裁政治もまた好戦的で、完全に非民主的なものだった。
 仲間の社会主義者と意見が違うからと言って、ファシズムがマルクス主義から生まれたことを否定するのは、毛沢東がマルクス主義を改変してソ連とけんかしたという理由で、中国の共産主義がマルクス主義から生まれたことを否定するようなものだ。
 ムッソリーニの父は、かぎられた教育しか受けなかったが、マルクス主義者だった。彼はさまざまな社会主義雑誌に論文を発表し、ことあるごとに仕事仲間に社会主義の利益について語った。子供たちも、夜枕もとで、ありふれた子供向きの読み物の代わりに、政治の本の朗読に耳を傾けねばならなかった。
 ベニト・ムッソリーニのクリスチャン・ネームは、父親が尊敬したメキシコの革命家ベニト・フアレスにちなむ。また、ベニトのほかにアンドレアという名前もあったが、こちらは同じく父が尊敬したイタリア社会党の創始者アンドレア・コスタにちなんだものだ。
 ムッソリーニ自身、しばしば左翼系の『ラッヴェニレ・デル・ラボトーレ』に寄稿した。
 伝記作家クリストファー・ヒッバートの『ムッソリーニ』には、次のように書かれている。
《彼[ムッソリーニ]はその時すでに、自らの未来の指導者と自認していた。ニーチェ、ショーペンハウアー、ブランキ、ヘーゲル、ソレルなどから、時としてよく理解せぬまま広く恣意的に集めた観念と、ロシアのボルシェビキから借りた観念に突き動かされ、彼はじきにその生涯を支配することになる信念に到達した。それは、現存する体制は、人民の名において行動する革命エリートによって打倒されなければならない。しかもそのエリートを指揮するのは、彼自身でなければならない、というものだった》」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(下)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
あまり関係ないが、ノストラダムスの詩にムッソリーニについての予言があるらしい。ただし、五島勉氏のみの意見かもしれないが。

3巻11番の詩
多くの軍が長いあいだ空で戦う
都の真ん中に木が落ち
かさぶたの顔には虫と剣と焼けた棒
アドリアの君主が倒されるときはそうだ

 アドリアイタリアの別名である(イタリアの東の海をアドリア海というのはご承知のとおり)。史上、打倒されたイタリアの君主はたくさんいたが、その前提として、「多くの軍が長いあいだ空で戦った」ケースはほかになかった。したがって、これはムッソリーニ以外のことではない。
 二行目と三行目は、ちょっとわかりにくいが、要するに処刑の状況だ。民衆はムッソリーニをクルマから引きずり出すと、銃剣や火のついた棒で突き刺し、殴り、空襲で倒れた街路樹のそばに死体を逆さにぶらさげた。そのまま何日も放っておいたので、殴られて血まみれになった彼の顔には、虫がいっぱいたかった。
 私は当時中学生だったが、戦後まもなく、この無惨な死体の情景を、アメリカ経由のニュース映画でみた記憶がある。いま思いだしてみると、ノストラダムスの予言と違っていたところは寸分もなく、あらためてゾッとせざるをえないのである。
「ノストラダムスの大予言」五島勉著(1973年)より

因みに、16,7年前に自分で訳したものも一応載せておく。
Les armes battre au ciel longue saison,
L'arbre au milieu de la cite tombe,
Vermine,rongue,glaive en face tyfon,
Lors le Monarque d'Adrie succombe. (原文はロバーツ本)

長い季節空で軍隊(兵器)が攻撃(砲撃)する
都市の中央の軸が倒れる
社会のくず、rongue、剣(神の裁き)正面から台風
その時アドリアの君主が降伏する

ノストラダムスの大事典によると「rongue」は「rongne」らしい。http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/1139.html
現在では古語辞典やインターネットという武器もあるのでノストラダムスの合成語の可能性なども考えて自分でも訳し直してみるつもりである。

長い季節空で軍隊(兵器)が攻撃(砲撃)する
都市の中央の軸が倒れる
社会のクズ、ダニ(疥癬)、剣(神の裁き)正面から台風
その時アドリアの君主が降伏する

基本的に「終わりの時」の事だと考えている。

おまけ