参考資料805 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「いつハルマゲドンは起きるか?」の続き
「以下に引用するサリー氏の著作、『これはハルマゲドンか?』の内容は、こうした状況とは正反対だった。同書八十二ページに“要約”と銘打って氏は書いている。
「ハルマゲドンの主戦場は、ヨーロッパではなく、パレスチナである。しかも問題となるのは、そこが北ヨーロッパか、アジアから侵略を受けた場合だ。現今の戦争の目的は、北方の強国がパレスチナの富裕なイスラエル人集団に敵対して聖地に侵入することではなく、ヨーロッパを一軍事大国に屈伏せしめることにある。現在の紛争が、予言の言うようにパレスチナへ向かうかどうかは、まったく別問題である。
 ハルマゲドンの破局的戦闘には、すべての国々が集結することになる。目下のところ、戦闘に参加しているのは、全世界の半分でしかない。しかも、戦場となっている場所はパレスチナでもなければ、メギドの地やエルサレムやバズラでもない。世界の残りの半分の国々は傍観し、現時点では手をこまねいたままである。戦争の結果、先ほど述べたような展開があるかどうかは、なりゆきを見守るしかないが、そうした可能性を顧みないのは、われわれが現在持っている知識の持ち腐れといえよう。
 こうした前提に立つと、ハルマゲドンにおいては、ロシアと大英帝国は敵対し、現在のように協同行動をとることはないとわかる。ハルマゲドンの災厄が来るときには、西欧諸国はいまと同じ陣営に分かれることはないだろう。いまロシア、フランス、イギリスの間に存在する不自然な同盟関係は、商業的、領土的な利害の衝突がはじまるとともに終わりをつげる。一方、現在、中立を守っているイタリアや他の大国は、北方の同盟に加わり、イギリスと対抗するだろう。その理由は、北の王がパレスチナに侵攻するとき、“リビアとエチオピア”がその足がかりとなるからである」
 ヘンリー・サリーは、わたしがユダヤ人たちの聖地への帰還を論じたときのように、便利な後知恵でものを言っているのではない。彼がこの文を書いたのは、それが起きる前だった。ただ、彼は予言者の言葉から、ハルマゲドンの戦いが起きる以前に、“パレスチナに富裕なイスラエル人集団”が存在することになるはずだと解釈したのだ。現在から過去を振り返って、ロシアを未来の敵対者と予想するのと、サリーのように将来、特定の場所で戦われる戦闘でだれが同盟者となるか予言するのは、まったく別ものだ。あえて言わせてもらうなら、サリー氏の解釈は、わたしには明日の新聞よりも新鮮に思える。
 不可解なのは、古代の予言者がどれほど正確に予言したか目のあたりにしながら、明らかに適合しないジグソーパズルのコマをむりにはめこもうとする連中が絶えないことである。予言解釈者の本を読んでわかることはただひとつ。正確に解釈できた者は、予言者の文章を素直に受けとった人間で、予言を当時の状況に強引にあてはめるという罠におちいった者は、間違いをおかしたということだけである。
 ハルマゲドンは1948年以前に起こりえなかったのは明白だ。なぜなら、予言者たちが予言したハルマゲドン勃発をめぐる諸情勢が、当時はまだ存在しえなかったからである。予言書をざっと読むだけでも、イスラエルの民が諸国から集められ、故郷に帰還し、彼らの土地が“剣の恐れから解放される”まで、ハルマゲドンの戦いは起こらないことがわかる。
 イスラエルを信頼していないわけではないが、ハルマゲドンが起きる前に、イスラエルは近隣のアラブ諸国とのあいだに、かなり具体的な条約義務を負うことになるだろうと、わたしは予想している。もちろん、だからといってハルマゲドン到来が遅くなるわけではない。今日、国際情勢の図式がどれほどすばやく変化するかは、周知の事実である。たとえば、アメリカと中国の関係を見よ。現在のような両国の関係は、十五年前には想像もできなかったのだ。
 どうすれば、そうした信頼関係が生まれるかはわからないが、ただこれだけは確実だ。ハルマゲドンは、イスラエルが平和に“安らかに”暮らすようになるその日まではじまることはないのだ。そうした事態がまもなく生じるのは間違いない。なぜなら、予言時計によれば、ハルマゲドンが来る日はそう遠くないからである。」
「Ⅴ・ダンスタンの終末大予言(下)」ヴィクター・ダンスタン著・幸島研次訳より

感想
>その理由は、北の王がパレスチナに侵攻するとき、“リビアとエチオピア”がその足がかりとなるからである

「ダニエル書」第11章だね。
「終りの時になって、南の王は彼と戦います。北の王は、戦車と騎兵と、多くの船をもって、つむじ風のように彼を攻め、国々にはいっていって、みなぎりあふれ、通り過ぎるでしょう。彼はまた麗しい国にはいります。また彼によって、多くの者が滅ぼされます。しかし、エドム、モアブ、アンモンびとらのうちのおもな者は、彼の手から救われましょう。彼は国々にその手を伸ばし、エジプトの地も免れません。彼は金銀の財宝と、エジプトのすべての宝物を支配し、リビヤびと、エチオピヤびとは、彼のあとに従います。しかし東と北からの知らせが彼を驚かし、彼は多くの人を滅ぼし絶やそうと、大いなる怒りをもって出て行きます。彼は海と麗しい聖山との間に、天幕の宮殿を設けるでしょう。しかし、彼はついにその終りにいたり、彼を助ける者はないでしょう。」
40節~45節

念のため、「麗しい国」はイスラエル。

>不可解なのは、古代の予言者がどれほど正確に予言したか目のあたりにしながら、明らかに適合しないジグソーパズルのコマをむりにはめこもうとする連中が絶えないことである。予言解釈者の本を読んでわかることはただひとつ。正確に解釈できた者は、予言者の文章を素直に受けとった人間で、予言を当時の状況に強引にあてはめるという罠におちいった者は、間違いをおかしたということだけである。

因みに、「ヨハネの黙示録」にはこうある。

「『聖なる者、まことなる者、ダビデのかぎを持つ者、開けばだれにも閉じられることがなく、閉じればだれにも開かれることのない者が、次のように言われる。わたしは、あなたのわざを知っている。見よ、わたしは、あなたの前に、だれも閉じることのできない門を開いておいた。なぜなら、あなたには少ししか力がなかったにもかかわらず、わたしの言葉を守り、わたしの名を否まなかったからである。」
第3章7節,8節

「「あなたこそは、その巻物を受けとり、封印を解くにふさわしいかたであります。あなたはほふられ、その血によって、神のために、あらゆる部族、国語、民族、国民の中から人々をあがない、わたしたちの神のために、彼らを御国の民とし、祭司となさいました。彼らは地上を支配するに至るでしょう。」
第5章9節,10節

>ハルマゲドンは、イスラエルが平和に“安らかに”暮らすようになるその日まではじまることはないのだ。

私も以前から、一度「ミロクの世」になってから「終わりの時」が来るのではないだろうかと思っている。(「ミロクの世」と言っても理想世界ではなく現在の延長のもっともいい形と考えている。)

おまけ