五島勉氏の「別のもの」 その11 | シフル・ド・ノストラダムス

シフル・ド・ノストラダムス

ノストラダムスの暗号解読

「ノストラダムスはそのことを、『諸世紀』には載っていない「六行詩(シザン)」の秘詩で示している。「六行詩集」とは、失われた『諸世紀・第十一巻』の下書きとされている重大な詩集だ。その48番目に、次の決定的な秘詩が突然現われてくるのだ。

 Du vieux Charon on verra le Phœnix,
 Estre premier & dernier de ses fils,
 Reluire en France, & d'un chacun aymable,
 Regner long temps, avec tous les honneurs
 Qu'auront iamais eu ses predecesseurs
 Dont il rendra sa gloire memorable.  
 古いシャロンのなかから、人々はフェニックスを見るだろう
 それは彼の息子たちの最初のものであり最後のものでもある
 フランスは再び輝き、愛すべきそれぞれの者のなかから
 すべての名誉とともに長い間支配する
 彼は彼に先立つ者のなかにはけっして現われない
 その輝きは記憶されるべきものとなる

 暗示の極めつきみたいなむずかしい詩だが、この一行目の「シャロン」とは「地獄の渡し守」のことだ。仏教の説話のなかにも、「三途の川の番人」というのが出てくるが、キリスト教の説話のなかには、もっとすさまじく冷酷な、真っ黒く汚れた番人がいて、それがシャロンだ。
 彼は現世で罪を犯した人々や身勝手に生きてきた人々を、汚れた裁きの船に乗せて、破滅の地獄へ運んでいく。ノストラダムスのほかの予言とも考え合わせると、これはまさに、人類を地獄へ運んでいく現代の破局文明・汚染社会の象徴である。
 しかしこの詩では、そのなかから「フェニックス」が生まれてくるらしいのだ。フェニックスとは、言うまでもなく不死鳥のこと。自分の身を炎のなかへみずから投げ入れることによって、奇跡的に生まれ変わって新しい生命を続ける奇跡の生物だ。
 だから、破滅のなかから現われて再生する人々を象徴していると見ていい。ただし、人類全部ではなく、みずから自分を危機のなかに投げ入れることで、奇跡的に再生を果たす一部の人類を。
 これを二行目が受けている。それは「人類の息子の最初のものであり、最後のものでもある」という。だから「終わり」であって「始まり」のもの。今までの破局文明の最後のときに現われて、新しい未知の文明を開いていく人々のことである。
 しかも五行目。それは「彼の先人たちのなかにはけっして現われないもの」とあるから、それまでと違う「新しい人類」のことでもある。
 これは『諸世紀』のなかの謎のようないくつかの救いの詩、たとえば私が『ノストラダムスの大予言Ⅱ』以来、いつも書いてきた「別のもの」とか、『大予言・日本編」で触れた「新しい脳の人」などに対応する言葉だろう。
 あそこでは、その「新しい脳の人」は、「日の国」のなかに出現するだろうと暗示されていた。この六行詩の三行目では、それに重ねて、フランスにもそういう「新しい人」が現われるように書かれている。
 ほか「それぞれの」という表現も見られる。だからけっして一ヵ所だけでなく、世界の何ヵ所かにそんな新しい人類または超人類が現われてくる、と読んでいいだろう。
 その新登場人物の人たちが、まもなく来るかつてない大破局のなかから不死鳥のように生き残って、というよりも、危機のなかに飛びこむことで奇跡的に再生(進化)のチャンスをつかんで、新しい人類を続けていくらしいのだ。」
「ノストラダムスの大予言・地獄編」五島勉著(1994年)より

感想
初めにお断りしておくが、6行詩は偽作らしい。http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11917797927.html
そう言われてみれば、4行詩はよく1行目と3行目、2行目と4行目で韻を踏ませているが(経験から気付いただけなのでどれぐらいの数がそうなっているかとか全然知らない)、3行目と6行目、4行目と5行目で韻を踏ませているのでちょっと違うね。(以前にも書いたが、私のシンクロニシティー理論では外典も偽典もブロワ城の問答のようなものもありなので。)
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-10812478117.html

>この一行目の「シャロン」とは「地獄の渡し守」のことだ。仏教の説話のなかにも、「三途の川の番人」というのが出てくるが、キリスト教の説話のなかには、もっとすさまじく冷酷な、真っ黒く汚れた番人がいて、それがシャロンだ。

これはカロンだね。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%B3
因みに、「Châlons」(フランスの地名の一つ)だったら「シャロン」だが。

>この六行詩の三行目では、それに重ねて、フランスにもそういう「新しい人」が現われるように書かれている。

2巻29番の詩に、

東洋人が彼の本拠地から出て来るだろう
アペニン山脈を越えてゴール(現在のフランスあたり)を見る
空、海と雪を越えて伝えるだろう
一人に対して誰もが長い棒で叩くだろう      (10年以上前の自分の訳・原文はロバーツ本)

とあるので、一概には言えない。メシアとか一言も書いていないが、わざわざ詩に取り上げるという事は「終わりの時」のキーパーソンの一人なのだろう。

>ほか「それぞれの」という表現も見られる。だからけっして一ヵ所だけでなく、世界の何ヵ所かにそんな新しい人類または超人類が現われてくる、と読んでいいだろう。

スマイル・メッセージにも「男女を平等にして、君達の種の内で最も知能があり、進歩的で、勇敢な者達を集めよ。あらゆる人種、国籍、宗教から代表を選べ。人種、文化、国籍への潜在的な帰属を超越せねばならない。生命に対してのみ忠誠を守れば良い」とあるが。
http://ameblo.jp/hitorinomeaki/entry-11259529920.html

>『大予言・日本編」で触れた「新しい脳の人」などに対応する言葉だろう。

4巻31番だね。http://www42.atwiki.jp/nostradamus/pages/465.html

おまけ