今週の「たけしのコマ大数学科」の問題 その3 | シフル・ド・ノストラダムス

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ノストラダムスの暗号解読

問題
大学から学生の一人に奨学金が出ることになり、あなたは候補者の一人に選ばれたとする。最終選考は以下の要領で行うことになっている。
(A)候補者は輪になって座り、お互い他の候補者が見える。
(B)候補者は全員目隠しをして試験官が候補者全員の額に「緑」か「赤」のマークを書く。
(C)次に候補者は一斉に目隠しを外し、他の候補者の額に「緑」のマークが「2つ以上」見えた場合のみ手を挙げる。
(D)自分の額のマークの色が分かったら「分かりました」と言って試験官に答えを述べる。

候補者はあなたを含めて4人。
あなたが目隠しを外した時「緑」のマークが3つ見えた。
あなたは手を挙げたが、他の3人も全員手を挙げた。
その後しばらく誰も「分かりました」と言わなかったとすると
あなたは自分の額のマークを判断することができる。
あなたの額のマークの色とその推理の理由を述べよ。

ワンポイント
この問題は平成21年度「お茶の水女子大学大学院 人間文化創成科学研究科」の入試問題だそうである。何だか一度読んだぐらいでは何が言いたいのか良く分からないような問題だが、要は、4人の人がお互いが見えるように輪になって座っていて、額には「緑」か「赤」のマークが書かれている。ここで大事な事は自分の額は見えないので自分のマークの色は知らない。そこで、「緑」のマークが「2つ以上」見えた人は手を挙げるが、私は「緑」のマークが3つ見えたので手を挙げたが結局全員手を挙げた。また、自分のマークの色が分かったら「分かりました」と言うルールだがしばらく誰も「分かりました」と言わなかった。この時私は自分のマークの色を判断できるらしい。ここで問題。
自分の額のマークの色とその推理の理由を述べよ。(解答は下の方。)













































































解答
まず、自分を「赤」だとしてみると、全員手を挙げるのはうなずける。また、自分を「緑」だとしても全員手を挙げる事もうなずける。つまり、この条件は(これだけでは)推理には役に立たないので、もう1つの条件「その後しばらく誰も「分かりました」と言わなかった」を考えてみる。
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(自分を「赤」として)上図のように「緑1」,「緑2」,「緑3」として、誰でもいから相手の立場に立ってみる。「緑2」の立場に立ってみると、「緑2」も自分の色は分かっていないので、ここで自分を「赤」としてみると正面には「赤」がいるので「赤」が2人で「緑1」「緑3」の人たちは「赤」「赤」「緑」が見えるので手を挙げないはずである。ところが2人とも手を挙げているので(緑2は)自分が「緑」だとすぐに分かるはずである。つまり、(私が)自分を「赤」と考えると条件に合わない。よって、私は「緑」である。文章では分かり易くするために2重に仮定したが、図で見れば一発で分かるはずである。
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「緑2」の人は実際は「赤」なんて仮定しなくても「緑1(緑3)」の奴が手を挙げているんだから自分は「緑」かとすぐに分かる。
因みに、条件の「その後しばらく誰も「分かりました」と言わなかった」を意味もなく追究すると、しばらくすれば分かる人もいれば家に帰っても分からない人もいる。この問題を解ける人はしばらくすると「分かりました」と言うしこの問題を解けない人は家に帰っても分からないという事。(全員「緑」なので、私と同じ思考法が出来た人は「しばらく」すると分かり出来なかった人はずっと分からないから。)
補足:さすがマス北野(ビートたけし)も東大生(とお茶の水女子大OG)も見事に解いていた。因みに、東大生は初めの2重の背理法(背理法慣れしている人はこっちだろう)の解法で、さすが天才肌のマス北野は後半の方の解法だった。模範解答も後半の方で東大生の解法が残念な解法のように扱われていたが、人に教えるなら前半の解法だろう(「簡単」と「分かり易さ」は別のもの)。

おまけ(昨夜夢に出てきた。)