きょうのことば ブラケットクリープ

2024年3月19日 日本経済新聞

 

賃上げで所得税率が急上昇

 インフレで物価や賃金の伸びを上回るペースで所得税収が増す現象を指す。所得が物価上昇に伴う賃上げなどで徐々に増えるのに対して、所得税率は所得の名目金額に応じて段階的に上がる。賃上げにより所得がある基準額を超えると、肥えた所得にかかる税率が急に上がり、所得税額が賃上げ率以上の比率で増える場合がある。

 所得税は給与や金融商品の李斯や配当といった1年間の所得から、所得控除を差し引いた金額に税率を適用する。税率は5%から45%まで段階的に分かれており、所得に応じて高くなる。課税最低限も定める。例えば課税職が900万円を超えると税率は23%から33%になる。

 過去には政府がブラケットクリープに対応するため、物価上昇に合わせて課税最低限を引き上げたこともあった。足元でも対応を求める声がある。2022年度の国の一般会計の税収は71.1兆円と過去最高を更新した。所得税収は22.5兆円で前年度から5%伸びた。インフレに対応した賃上げの広がりで給与所得が増え、税収増につながっている。

 

 

雑感

 1000万以上稼ぐと半分近く税金になるとはよく聞く愚痴だ。

 ただ、一人で誰の助けもなく生まれ育ち稼いだ人間でないなら、周囲や環境に助けられて稼いだ一面もあるだろう。

 だから、稼いだ後に税率の低い国に移住する人間を軽蔑する。