いつも一緒に居れるものだと思っていた…

 

[986]

烏玉ぬばたまの 夜明奴者よのあけぬれば 星削ほしはきえ 日昇来ひはのぼりきて 鳥啼とりはなき 夕去来者ゆふさりくれば 鳥籠とりはこもり 夜更逝者よのふけゆけば 星所見ほしはみゆる 日照昼ひのてるひるに 不所見星みえぬほし 眞毛天尓まこともあまに 将有可あるらむか 夜庭不啼よるにはなかぬ 籠鳥こもりどり 眞毛杜尓まことももりに 将居可ゐるらむか 日暮逝者ひのくれゆけば 寸波かなしきは 彼方屋戸をちかたやどに 将居可ゐるらむか 戀浦觸こひうらぶれて 眞氣永まけながく 別而久尓わかれてひさに 全人波またけむひとは

 

 

[987]

日出ひのいづる 時為便無ときはすべなみ 彼方尓おちかたに 傾星之かたぶくほしの 可削所念けぬべくおもほゆ

 

[988]

天地跡あめつちと 共欲得跡ともにもがもと 念乍おもひつつ 夜明奴者よのあけぬれば 星可削ほしはけぬべく

本歌(元ネタ)

~葛井子老・万葉集 15-3691

 

[989]

眞氣永まけながく 浦觸居者うらぶれをれば 為便無すべをなみ 夜昼不別よるひるわかず 千度云鶴ちたびいひつる

 

無常だ・・・