「魔王」 から50年後の日本
続編ということですが、全く別ものとしても楽しめます。
一体何がどなってるの??・・という解らない状態で展開するストーリーは「ゴールデンスランバー」 の雰囲気に似ています。
あとがきで伊坂さんもそう書かれていますが。
《この二つの作品は双子の兄弟みたい。生真面目な兄と奔放な弟。
「ゴールデンスランバー」にないものが「モダンタイムス」にあって、「ゴールデンスランバー」にあるものが「モダンタイムス」にないのだ》と。
これにはすごく納得!!!
「システムエンジニアの渡辺拓海は、ある日家に戻ったら男に拷問を受けた。
会社では先輩が行方不明になり仕事を引き継ぐことに。その仕事に関わること彼の周りで事件が相次いだ。
浮かび上がるキーワード、安藤商会を調べる為に岩手に向った」
まず冒頭場面からかな~~り恐ろしい。
拷問シーンはとっても苦手!
なので嫌な感じのドキドキにたびたび襲われ・・恐かった。
そして一番嫌だったのはビデオ撮影された拷問シーン。もうおえって感じ。
一緒に見ている佳代子の反応が唯一救いだった~
渡辺の遭遇する出来事は、先ずは妻佳代子にバレた不倫の件。
恐妻のプロ、恐いです。
彼女の過去もとても恐ろしいのですが、拓海に対しての仕打ちはかなり恐い。こんなことあったら警察が登場するくらいの出来事ですが、何故か普通に次の日仕事行ってるしっ!
でもこの佳代子、後半からはガラリとイメージが変わってきます。
どんな困難に出会っても、彼女と一緒なら乗り越えられるかも~っていう明るさとタフさと強さ(肉体的にも!)を持ち合わせていて、実はとてもとても深く夫を愛しているらしい。
何だかいい人なのですよ~。
そして先輩社員五反田の抱えていた仕事、相手先の担当者と連絡が取れない、確認作業が出来ないために簡単な筈の仕事に非常に時間がかかる。そして五反田が残した言葉「見てみぬふりも勇気だ」の意味が解らずに、検索キーワードを探り当ててしまい・・
そして後半からやっと登場しました!安藤潤也と詩織!
時間が経っていても変わらない詩織にほのぼのさせられました。
友人の小説家井坂好太郎の病院シーンは泣けたな~
何だかとってもとっても辛かったです。何度も登場する言葉は『勇気』
「魔王」より濃厚でズッシリとしたストーリー。
伊坂作品の魅力は、張り巡らされた伏線とキチンと収束するラストだと私は思っていますが、これは違って「ゴールデンスラバー」「魔王」のパターンの方です。
余韻を残しつつ曖昧なままの終わり。
何作か読むうちに、こういうのもアリだよね~と納得できるようになりました。
この世界観、堪能しました~
