パラソル


「春日、野々、花の兄妹は父の一周忌のために集まる。

最近母の様子がおかしいと唯一同居している花が言い出し、調べるうちに厳格だった死んだ父の知らなかった過去を知る」


野々たち兄妹や、家族、恋愛観など、いつもの森絵都さんの持つ柔らかな雰囲気と違って最初は戸惑いました。


あまりにも厳しい父。門限、持物、全てにおいて管理されてきて、それに反発してきた野々と春日は成人して家を出て、父とは絶縁状態。花だけが諦め受け入れ両親とともに暮らしてきた。

輝かしいはずの青春時代を無にされたことを恨み、そして今の自分のコンプレックスや生活全て父のせいにしてきた彼らが、父親の故郷に行き父の足跡を辿っていく。

その旅で何かが変わった。


生きているうちに少しでも歩み寄ることができたなら・・叶わぬ事でもそう思わずにいられません。

もしかしたら、パラソルの下で一緒にビールを飲む日がきたのかもしれない。でも、そう野々が思えるようになっただけで、いいのかもしれない。


旅を終えて、少し成長して、自分と向き合うことができるようになった三人と、明るさを取り戻したお母さん、今までバラバラだった家族の未来にとても素敵なことがたくさん待っているであろうラスト、好きな物語です!