☆本プロからの移行☆
食道癌だと公表した藤原伊織さん。とてもショックでした。
数少ない藤原作品ですが、とても好きですから。
「テロリストのパラソル」 や「てのひらの闇」 の長編も傑作ですが「雪が降る」 のような短編も巧く、惹きつけられます。
病気に負けず今後もたくさん書き続けてくれること願っています。
大手東邦広告の副部長辰村。ワンルームマンションは荒れ放題。アル中に近い状態でヘビースモーカー。13歳の時唯一の友達だった二人と共有している秘密を抱え刹那的に生きるが、仕事に関してはプロ。優れた判断力を持ち、恩義を忘れず部下からも上司からも信頼される。
18億の競合プロジェクトのチームになった辰村、女性上司の立花、辰村を慕いターチーと呼ぶ笹森、強力縁故で途中入社の戸塚、一致団結して邪魔の入る中取り組んでいく。
過去の問題と現在の競合とのバランスもいいし、やはりなんと言っても辰村の魅力が大きい。いつものように自分の信念と自分の信じる正義の為には誰にも屈することなく闘う。自分を信じてくれる人たちは自分の身を省みず守る。でも半アル中だったり未来のないような生活を繰り返す。そんな主人公がとっても素敵なんです。
ラストがとても寂しい。それだけが今回の欠点ですね~。
そりゃあ、ありがちな大団円ラストは出来すぎだとは思うけれど、何か一つくらいいい方向に向かっていってもよかったではないですか?
でも、今後も彼らは人生に負けず精一杯闘っていくんだと、そう思います。
「テロリスト~」を読まれた方には今回の作品はたまらないものでしょう。かなりにやりと出来るくだりが登場します。