☆本プロからの移行☆


「草にすわる」「砂の城」の二作。

「草にすわる」
術後の体のため仕事を辞めプー太郎をしている洪治。毎日の日課のジョギングと曜子との週一回の食事以外することもなくただ過ぎている。スーパーで働く曜子との関係も微妙なまま、曜子の家事で死んだ母と弟に思いを馳せる。
ある日曜子から生きてる無意味さをぶつけられ、一緒に死ぬことに同意する。

タイトルがどこから来るのかな?って思いながら読んでいたら、ラストでこのタイトルの意味がズシリときた。
洪治が特に退廃的だったわけでもなく、引きこもりということでもなく、割と普通の人間があっという間に引きずり込まれるそういう隙に恐怖があった。
退院した日のスーパーでの二人のやり取りとラストの明るさにとても救われました。

「砂の城」
こっちは老齢の作家が主人公で、文章が硬くちょっと入り込みづらい雰囲気をもっていたので最初あまり気に入らなかったのですが、娘の嫁が孫を連れて登場したあたりから、矢田の人間らしさが溢れ出して面白くなった。


この年齢にこないと自分の人生をもっと考えれなかったのかと思うと気の毒で・・ちょっと痛い話でした。