☆本プロからの移行☆


「凍える牙」の音道貴子刑事シリーズ第三弾。
待望の文庫化です!

武蔵村山市で四人惨殺事件が起こった。音道刑事は警視庁の星野と組むことになる。女性がやりにく職場のため、過去の経験から覚悟していた音道だが、意外にも星野は女性蔑視せず意見も聞いてくれるように思えた。しかし本性が現れてからは口もきかない状態になり別々に行動することになってしまった。
独り関係者を訪ねた先で意識を失い拉致されてしまう音道刑事。
一方特殊班に所属している滝沢刑事は音道刑事が捜査途中行方不明になった為捜索する任務を受ける。

(上巻)
上巻では、この不思議な縁で結ばれる二人が出会うこともなく話すこともなく別々の視点で話が進んで行く。


星野が全く持って嫌な奴で、ペッと唾を何度吐きかけても足りない位。
自分の保身ばかりでエリート意識高くて絶対に周りにいて欲しくない。
本来のコンビの八十田さんは、最初の印象と違って本当はとってもいい人だし、滝沢刑事は「凍える牙」の最初の頃とは違ってすっごいいい!


滝沢さんを見ていると、初めての場所で知っている人の顔を見つけたようなホッとした感覚。
心の底から音道刑事のことを心配して一刻も早く救出したいと願って動いている姿は胸を打つ。
事件自体は大して面白いものじゃないんだけどね~。

犯人が・・とかあまりそういうことはどうでも良くって、早く見つけて~!ってその思いで頁を急いでめくり続ける。

「知ってんだよ。あいつは俺と組んでいたことがあるんだ。少なくとも俺は、あんたよりもずっと音道を知っているんだ」
緊張感ある場面でのこの台詞にグッときました。


(下巻)

中盤から後半にかけて、近くにいるのに踏み込めないもどかしさ!
実際にこういう事件が起きた場合の警察の対応はこうで仕方ないのでしょうが、どうしてもっと早く救出できないのでしょう?


踊る大捜査線じゃないけれど、現場の人の判断じゃなくそこに居ない上層部の指揮官の指示を待たなければならないなんて・・。
音道刑事と電話で一番最初に話したのがエライ人で、あの何日にも渡る監禁状態、体力の低下、思考低下の中で彼女は、こんな時知っている人の声だったらどんなにホッと出来ただろうと。
切なくなっちゃいました。

あの監禁の中で気丈でいられただけでも奇跡みたいなものなのでしょうが、それでも、自分のミスを棚において仲間の警察を非難してる時やこのまま犯人を逃がして・・なんて考ええている時は嫌~な気分でした。
「なんで誰も助けにきてくれないの?遅すぎる!」でも・・滝沢さんたちがどれだけ心配して苦労して大変だったか・・


いや、もちろん人質が一番体力的にも精神的にも辛かったのは当然なんだけれど、音道刑事のそういう面を見たくなかったな~ってつい思ってしまったのです。
そして加恵子の人生があまりにも哀しくて哀しくてやりきれなかった。
最後星野の野郎~私も殴り飛ばしたい。

ミステリーとしては全然完成度高くないように思うのですが、私は面白く読めました。