監督:佐々部清
出演:麻生久美子、吉沢悠、田中麗奈、中越典子、藤村志保、堺正章
『広島のある 日本のある この世界を 愛するすべての人に』
広島の原爆の映画・・ということだけしか知らずに見に行ったのですが・・
戦争がテーマというわけではありませんでした。
ものすごくものすごく、良かったです。
戦争や被爆ということを押し付けず、泣かせようという押し付けがましさもなく、静かに物語りは進むのだけれど・・でもやっぱり泣かされてしまいます。
もっとたくさんの日本人が見るべきだと思うし、アメリカや核保有国、実際に戦争を行っている人たちにも見てもらいたい。
麻生久美子さん、今まであまり知らない女優さんなのですが、皆実の雰囲気ととても合っていてとても素敵。麻生さんが主役の夕凪の街はものすごく良かったです。
吉沢悠さんも真面目で実直な感じがとても合っていました。
前半のちょっとしたエピソードが後半も効いていて、それで又涙・・。
銭湯でのシーンは壮絶。あれだけの痕を身体いっぱいに残した沢山の女性。みんな何事もなかったように普通にいて・・言葉がなかったです。
後半の桜の国では、前半の涙が引っ込むくらいに前半との温度差があって、全然入り込めずにいたのですが、この差が実際に戦争を体験した人と知らない人間との差なんだろうと思ってからは、七波の能天気な感じも気にならずで。
ちょっとだけ気になったシーン。
木の下で倒れた皆実にもっと早く駆け寄るのでは???
具合の悪い友達が一緒なのに、過去を思い出してボーっとしすぎでは???
だまって部屋から出て行ってこっそり外泊はありえないのでは???
この三つがなければ完璧だったのに~
「誰かが私たちに死んで欲しいと思った。なのにこの世におってもいいじゃろか?」
「それは違うよ。原爆は落ちたんじゃなくて落とされたんよ」
「今やったって思っているかな。13年経って又一人殺せたって喜んでいるだろうか」
皆実の言葉が印象的。
想像を絶するような現場にいて、家族を失って、長生きしてという言葉とともに妹の重みを背中に受けて、自分だけ生きていていいんだろうか、幸せになってはいけないと思ってきた皆実の気持ちが痛いほど伝わってくる。
打越さんの「生きとってくれて、ありがとうな」
どれだけこの言葉で救われたことだろう。
