こまっちゃうナ | hitonotoumadeのブログ

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60歳→65歳→ついに『75歳のブログ』

昭和40年、あの遠藤実がミノルフォンレコードを立上げた。

ミノル(実)フォン(音)である。

舟木一夫を筆頭に、遠藤門下生が一斉に移籍して来るもの

と思われていたが、大山鳴動して鼠一匹に終わった。

例え歌手たちは育ての親のところへ、はせ参じたいが、レコ

ード会社が手放すはずもない。

そんなわけで新人だけの船出になったのだが、そこは正に

名伯楽だ。 次々と、ヒット曲が誕生していった。

 

三船和子「他人船」、千昌夫「星影のワルツ」、津山洋子&

大木英夫「新宿そだち」etc.  どの曲も、カラオケで数度は

歌った曲である。

ミノルフォン側も、当時はレコード両面の制作費用が無くて

B面にはカラオケだけを収録して発売していたのだ。

後のカラオケブームを呼んだ、最初の一歩になっていたのか

もしれない。

 

新人の中に、15歳の少女がいた。 山本リンダだ。

遠藤先生が問うた。 『君は、ボーイフレンドいるの?』

リンダが、こう答えた。 『え~、こまっちゃうな』

レコード会社を立ち上げてみたものの、ヒット曲と呼べる

のは辛うじて「他人船」のみ。遠藤実も困っていた。

 

思案にふけっていた遠藤が、やおらペンを手に、何やら書き

始めたのだ。 「こまちゃうナ」の歌詞だった。

 

コストを掛けたくなかったのか、万能の為せる業か、その場

で作曲も、さらに編曲まで完成させてしまった。

「星影のワルツ」から「高校三年生」までの幅の広さをして

も、「こまっちゃうナ」となると、もはや宇宙人ではないか。

設立2年目の大ヒット曲になる。

 

合田道人著 「昭和歌謡の謎」その他 参照