焦土の刑事/堂場瞬一/M8718-12 | myojiの日記~書くも恥ずかし

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昔ライター、今中古屋のおっさんが自分の好きなことを勝手に書いていくブログです。いい年こいてって思われれば本望です。

ネタバレ御免の勝手で偏った見当違いかもしれない感想を基本敬称略で。

日本の警察シリーズ第1作にして、自分にとっての初堂場作品。図書館で借りて読了。ebookjapanによると、1945年。B29による空襲の翌朝、防空壕の中で女性の遺体が発見される。首には刃物による切り傷が。無数の遺体と目の前のたったひとつの遺体。これは戦争ではない。個人に対する犯罪だ――。捜査を進める京橋署刑事の高峰は署長から思わぬ言葉を聞かされる。「あれは、空襲の被害者だ」。殺人事件のもみ消し――そしてまた殺人が起きる。高峰は、中学からの同級生で特高に籍を置く海老沢とともに、終戦をまたいで「戦時下の殺人」の犯人を追い詰めていく...というストーリー。

終戦前後が舞台という設定は〇。その時代性もあってか、ヒリヒリというか緊張感のある展開で、これが堂場テイストなのかと読み進めていったのだが、事件の真相が予想&想像よりもこじんまりというか個人的で少々肩透かし。もっと暗くて深い国家的なものが絡んでくると思ったのに...。

というわけで、5点満点で3点。残りの2作も読んでみるつもり。それにしても作者の多作には驚くばかり。