京都の予備校での浪人生活を始める前に、京都での下宿先を探した。
詳しい経緯は忘れたが、同じ予備校に進むことになっていた、保育所から高校まで同じの幼馴染と中学高校が同じの友人と京都に出かけ、予備校が斡旋してくれた浪人用の物件に決めた。三人とも京都に土地勘などないし、実家を離れての生活の経験もないので、他と比較することもしなかった。
北野天満宮から少し下ったところにある町屋だった。玄関を入ると土間と台所。天井がやたらと高かった。自分たちは離れというか、奥の敷地のアパートみたいな建物に入ることになった。案内してくれた大家さんは大柄でヌーボーとした雰囲気の人だった。