以前、仕事で関わった方のことで、今でも印象に残っている出来事があります。
仕事には、守らなければいけないルールがあります。
それは私だけの都合ではなく、
クライアントとの信頼関係にも関わる大切なこと。
だから私は、その方に
「これはやめてくださいね」
と伝えていました。
ところが、その方はまた同じことを繰り返しました。
約束を守らない。
仕事上のルールより、自分の都合を優先する。
その結果、こちらがクライアントから注意を受けたり、
場合によっては仕事を失う可能性もある。
これ以上は関われないと思い、私は関係を切りました。
すると、その方は怒って言いました。
「謝ったじゃん」
謝ることと、許されることは別問題。
そもそも、謝らなければいけないことをしたのはその方。
こちらは「やめてほしい」と伝えていました。
それでも同じことを繰り返えす。
自信では自分の行動をコントロールできないのだと判断し、
わたしから距離を置いた訳です。
謝罪は、した側が差し出すもの。
でも、それを受け取るかどうかは、された側が決めることです。
「謝ったんだから許せ」
「謝ったのに許さないなんて器が小さい」
もしそう思っているのだとしたら、そこには大きな勘違いがあります。
謝罪は、相手をコントロールするための道具ではありません。
「謝ったんだから許して」
「謝ったんだから元に戻して」
それはもう、謝罪ではなく要求です。
謝ったからといって、
壊れた信頼が元通りになるわけではない。
また関係を続けなければいけないわけでもない。
人間関係で本当に大事なのは、謝る言葉よりも、
その後の行動だと思います。
自分のルールではなく、相手や場のルールを尊重すること。
それができないまま、
「謝ったじゃん」
と怒る人は、自分が悪かったことよりも、
自分が許されなかったことに怒っているだけ。
もうそれは謝罪ではなく、自己都合です。
大人になると、関係を続けるかどうかは、
情ではなく信頼で決める場面があります。
謝られたから許さなければいけない。
謝られたから元に戻さなければいけない。
そんなことはありません。
こちらの仕事や人生を守るために、
距離を置くことは冷たいことではない。
それは、自分を守るための大切な判断です。
