プロポーズ、結納、結婚式、結婚記念日、誕生日、自分へのご褒美、などなど。後半ちょっとずつ厳しくなってきましたが、お祝いというのはとても晴れやかで特別な記念日。こんな特別な日にはやっぱり素敵な時間を誰かと過ごしたいなと思いませんか?

 

 

ヒトミです、こんにちわ。

ヒトミって誰?って人はこちらからどうぞ

 

 

あたしは、もうすぐ誕生日なんですが、間違いなく当日は仕事でバタバタの予感がしているので、ちょっと早いんですが、お誕生日のお祝いにとても素敵なレストランに連れて行ってもらいました。そこは優雅で贅沢なのに美味しくくつろげる、まるで夢の国のようなお店だったのです。

 

 

お店の外観、内観

シェフのご紹介

コースのお料理とペアリングワイン

という流れでご紹介いたします。

 

 

 

ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野

 

 

神戸北野の異人館が立ち並ぶ異国情緒溢れる街にある、フレンチレストラン。

異人館通り周辺は明治期半ばから大正期にかけて神戸港の居留地で仕事をする外国人たちが洋館を建て移り住んだ地域で、重要伝統的建築物群保存地区として国から選定されたとても美しい街で観光地としても有名です。

 

 

一際目をひく、白い木造の洋館一棟丸ごとレストラン

 


その中でもひときわオシャレな窓枠の緑色がはえる白い二階建ての木造建築が、明治41年にフランス人貿易商のグラシアニ氏が建て住んでいた洋館「旧グラシアニ邸」。この非日常の洋館がラ メゾン ドゥ グラシアニです。

 

 

12月に入ったばかりにお伺いしたので、レセプションにはツリーがありました。

 

 

毎年コンセプトの変わるツリーを展示しているのだそう。下にいるサンタクロースがとてもキュート!

 

 

ウェイティングスペースも贅沢にとって

 

 

非日常の洋館に入っていくと、ギャルソンがお出迎えしてくれます。

コートを預かっていただき、案内されたのがウェイティングスペース。日の光が降り注ぐ空間は明るく優雅で、ソファーに座れば目の前にはお部屋のようなガラス張りのワインセラー、そして奥には「キュイジーヌ」。細い窓から「厨房」の中を垣間見ることができます。まるで異世界のようでワクワクしますね。

 

 

1階はメインダイニング

 

 

床はフローリングで軽やかに。

 

2階には個室と、サロン。

 

 

2階は開放的な大きな窓があるぶん、床には絨毯がひかれています。

落ち着いた色使いでまとめられたインテリアは品がよくそれでいてシンプル。お料理を楽しめるように、テーブルには神戸のものをモチーフにしたステンドグラスが置かれています。一人一人違うものになっているので、二人の会話も盛り上がります。

 

 

メゾン ドゥ グラシアニは2016年9月にシェフが変わりました。

新たに総料理長に就任したのはヨーロッパ各地で20年研鑽を積んできた鷦鷯 進氏。

ミシュラン星なしだったスイスの「シュバル ブラン」副料理長に就任し、わずか8年でミシュラン三つ星まで導き、ゴー・エ・ミヨー19点(フランスで最も強い影響力を持つレストランガイドの一つで、最高点は19点)という名店に育て上げた実績の持ち主なのだそうです。

 

 

 

 

ランチはこちらをいただきました。

Menu GRACIANI 9800円

 

夫はこれに合わせて、ペアリングワインをお任せでいただきました。

あたしは呑めないので、ノンアルコールスパークリングから

 

 

 

夫はシャンパーニュから

 

シャルルプジョワーズ

CHARLES POUGEOISE 

 

 

フランス大使館でも使われる正統派シャンパーニュからスタートです。

するりと軽くキレイな飲み心地でスタートにぴったり。

 

 

 

丹波栗のヴルーテ/フォアグラのムース

 

 

映像と音楽が流れる屋久杉のお皿でのプレゼンテーション。

玉ねぎのローストを球体にしたものを浮かべた栗のヴルーテはとろり。栗の淡く芳醇な香りに玉ねぎの甘みが絡まり、目の前で流れる晩秋の映像とともに、秋を体感します。そして、モンブランに見立てたのはフォアグラのムース。パクリと食べれば予想してたよりもふわりと濃厚な風味が広がります。

 

 

自家製のパン リュスティック

 

 

ブーランジェリー顔負けの絶品なパン。

香ばしくパリッとしているけれど、料理の邪魔をしない絶妙なポジションです。

 

 

フランス・ノルマンディのイズニーの有塩発酵バター

明石産青のりを混ぜたバター

 

 

柔らかくミルキーな風味が広がりほのかな余韻だけ残しふわっと消える口どけのバター。口に入れて驚くバターはエシレ以来。だけどエシレほど独特の風味ではなくて、滑らかに口内に馴染む味わいと口どけなのです。あまりに美味しくてお料理の最後には全部なくなりました。

 

 

プイィ フュメ バロンドエル

1997 Pouilly-Fume Baron de L

 

 

20年前のヴィンテージワイン。(1997年はそんな前なのかと驚くw)

冷た目で出されたこのワインは、独特なんだけれど癖のない可憐な花のような香り。フレッシュで華やかで、爽やかな春のような、クリーンな味わい。思わずごくごく飲んでしまう美味しさです。これに合わせた料理がこちら。

 

 

豊後アジと茄子のプレッセ

 

 

 

プレッセは「型にぎゅっと詰めた」料理。豊後アジと茄子のコンソメゼリー寄せです。美しく印象的な底面の紫色は、茄子の皮から取ったのだそうでワインビネガーの酸味がキリリと効いていてドレッシングのようにいただきます。

 

 

 

脂の乗った豊後アジを中心に、根セロリの柔らかな青みやヤーコン、酸味あるソースをアクセントに、複雑に味を重ねつつもさらりと纏めるところが、フランス料理ならではです。

 

 

ドメーヌ ヴァインバック ピノ・ノワール

Domaine Weinebach Pinot Noir 2012

 

 

 

フランスはアルザス地方のワインで、先ほどのより少ししっかりめ。

程よいタンニン分が程よい重たさで、果実味がじわりと穏やかに広がります。

白ワインだけれど、重た目にシフトしたのはこのお料理のため。

 

 

蝦夷鹿と神戸ポークのパテアンクルート

 

 

白いちじくと、赤ワインビネガーのソースを添えて。

パテアンクルートはジビエ数種類、フォアグラ、ピスタチオ、コンソメ、生地を使って焼き込む、フランスの代表的な料理。お肉部分はしっとりとなめらかでいて野性味もほのかに覗かせます。ここにソースを合わせると鮮やかな印象へと変貌。そしてほんのりとした酸味とグッとくる味わいの白いちじくを合わせるとまた不思議と花開ックのです。こんないちじく初めて。

 

 

ジャン・マルク・ボワイヨ ピュリニーモンラッシェ 1er ルフェール2005 

J.M.Boillot Puligny Montrachet PREMIER CRU LES REFERTS 2005

 

 

ワイン好きの方にすごい!と言わしめたワイン。

ブルゴーニュワインの当たり年でよく残ってたねというレベルのワインだそう。

ふくよかでいながら、ジューシーでフルーティ。アルザスのワインと比べると、軽さはありながらも、旨味にあふれていて、花開きます。

この見事なワインに合わせたのはこちらのお料理です。

 

 

 

淡路産太刀魚のルーラード

 

 

ふわりとした太刀魚を巻いたルーラード。淡白でクセの少ない太刀魚を太刀魚の骨から取った出汁のコックリとしたソースと、ネギがアクセントを加えています。この素材を使いながら、和の要素に一切ならないバランス感が素晴らしいです。ワインとの相性も抜群です。

 

 

次はこの季節ならではのお楽しみということで、シェフからのプレゼント。

 

 

 

まさかの、白トリュフです!!!!

贅沢な一品の最たるものです。初めて、目の前でシュッシュしていただきました。

 

 

 

 

卵ときのこのソース、白トリュフを添えて。

削った瞬間ふわりと広がる独特の香りに眩暈が来るほどうっとりします。薄く削られたトリュフはシャキシャキとした食感でいて、見事な薫りを放ちます。卵は細かなパン粉をつけ揚げられていて、ナイフを入れればトロリ。

 

 

 

真っ黄色な黄身の濃いたまごです。

トリュフの香りを楽しみながらいただくのにはぴったりのスペシャルメニューです。

 

 

ボルゴーニョ バローロ・リゼルヴァ

BORGOGNO Barolo RISERVA

 

 

そのままではなく、目の前でデキャンタージュしてくれました。これをすると空気にふれワインが開くのだそう。トリュフに合わせ、ほんのり燻製やスパイスの香りがするような重ためのワイン。グイーンと長い余韻がありながら、それが決して嫌じゃない絶妙な重たさでした。美味しい。

 

 

マグレ・ド・キャナールのロースト 秋野菜と共に

 

 

マグレドキャナールはフォアグラを取るために育てられた鴨。それゆえ、皮目にしっかりと脂がのっているのですが、この脂身がまた極上の美味しさ。噛みしめれば、なめらかでキメも細かくこれまで食べてきたものとは別次元のと鴨の旨味があふれ出てきます。このメインは素晴らしい。鴨から取った出汁のソースととても粘度が高くて、コクのあるメイプルシロップを合わせていただきます。

 

 

 

2008 Chambolle-Musigny 1er Cru les Beaux Bruns

 

こちらも素晴らしいワイン。

 

 

お料理とこちらの調子を見ながら、ワインを軽めから重ためへ、鮮やかな手腕でチョイスしてくれて、そして説明してくれたギャルソンがまた素晴らしかったです。

 

口直しの

ザクロのソルベ

 

 

口直しのソルベはギャルソンが目の前で液体窒素とざくろのジュースを混ぜて作ってくれます。もくもくと立ち昇る湯気がまるで魔法のよう。素早くかき混ぜ湯気がたちのぼらなくなると見えてきたのは見事な赤い色のなめらかなソルベ。口どけも軽やかでなめらかで、そしてスッキリ。

 

 

続いてデザートなのですが、目の前にはコンロのセットが。

 

 

こちらもまたギャルソンが目の前で作ってくれます。この目の前で作ってくれるサービスは楽しいですよね。

キャラメリゼやフランベなど見所もたっぷりでした。

 

 

渋皮付きの巨大な丹波栗のお菓子、バニラアイスを添えて

 

 

以前大福で食べたものを超えるか?というピンポン玉サイズの巨大な栗です。

フライパンでカラメルを作りバターをたっぷり入れ、栗を投入。そこにラム酒を加えフランベして出来上がったお菓子です。

 

 

 

ラム酒が香るカラメルが大人な味わいでクラッシュしたアーモンドが香ばしいアクセントになっているのですが、あくまでもメインはこのほっこりとした大きすぎる栗。ナイフでカットしてもまだまだ大きな栗は、優しく柔らかい栗の味わいでソースがその美味しさをグッと引き立てています。

 

白トリュフといい、この大きな栗といい、特別な場所で、貴重なものをいただけるのはとても嬉しいものですよね。

 

 

いよいよ最後です。ここまでで約2時間半が経過していますが、ちっとも飽きなかった。ギャルソンの接客が本当に素晴らしすぎました。

 

 

お茶菓子とカフェ

 

 

 

ワゴンサービスでコロコロとやってきたお菓子たち!お腹いっぱいでもやっぱりお菓子はキュンキュン乙女心が疼きます。焼き菓子系からギモーブ、カヌレ、チョコレートまで全18種類もありました。本当は全部!と言いたいところでしたが、お腹がいっぱいだったので、泣く泣く二人で以下のものをお願いしました。

 

 

 

ちょこちょこ摘みながらカフェをいただき、ホッと一息。

スノーボールかと思ったら、中はシュトーレンだったり、淡路島の玉ねぎのチョコだったり、柚子胡椒のトリュフチョコレートだったり、意外にも攻めたお菓子も紛れ込んでいるのがワクワクさせてくれます。最後の最後まで、これ面白い!けど美味しい!と会話が弾むメニュー構成になっています。

 

 

ラメゾンドゥグラシアニ。

その名前は昔から聞いていたけれど、こんなにも素晴らしいとは思いもしませんでした。お料理が美味しいのはもちろん、その持っているワインとそのチョイス、非日常な空間、そして何よりギャルソンがとても素晴らしかったです。

 

そう、褒めたら「そろそろ査定がありますからね」なんてさらりと笑いに変えてくるあたりも本当流石でした(笑)

 

素晴らしい空間にお料理、ワインを、こんなにもくつろいでいただけるという、これまでにない経験をさせてもらいました。ここにくるために、また頑張ろう!そう思わせてくれる稀有なレストランです。

 

 

 

ラ メゾン ドゥ グラシアニ 神戸北野フレンチ / 三宮駅(神戸市営)神戸三宮駅(阪急)三ノ宮駅(JR)
昼総合点★★★★ 4.8

 

050-5571-5207 

住所 兵庫県神戸市中央区北野町4-8-1 グラシアニ邸 

交通手段 JR、阪急、阪神、市営地下鉄三宮駅から徒歩15分 

営業時間 Lunch 12:00 - 14:00(L.O.) 

Dinner 18:00 - 21:00(L.O.) 

定休日 月曜日(祝日の場合は火曜日)