笑い過ぎて、涙が出た。

ミュージカル『モダン・ミリー』がめちゃめちゃ愉しい。

いやあ、ここまで笑えるなんて、予想もしてなかった。

なんか免疫がグンと上がった気までする。

 

 時は1922年、いわゆるジャズ・エイジ。

ニューヨークに出て来たミリー(朝夏まなと)は

女性専用ホテルに滞在し、仕事と恋人探しを始める。

ホテル・オーナーのミセス・ミアーズ(一路真輝)は、なにやら怪しげ。

 

写真提供:東宝演劇

 

 ミリーが街で最初に知り合ったジミー(中河内雅貴)、

働き始めたオフィスの社長トレヴァー(廣瀬友祐)、

滞在ホテルで友達になったドロシー(実咲凛音)らがからんんで

弾けまくるスラプスティックなラヴ・コメディだ。

 

 今回の『モダン・ミリー』は、日本初演から16年を経ての再演。

といっても、キャストも演出も一新。

本来なら2020年に上演されるはずだったのにコロナ禍で中止、

ようやくのリベンジ上演となったのだった。

 

 面白さも、初演版からはケタ違いにアップ。

なにしろ、技術もキャリアも華もある出演者たちが、

きっちり歌って踊って、思い切りのいい演技をするのだ。

だから、舞台にゆるみがない。

ミュージカル・コメディは、こうでなくちゃ!

 

写真提供:東宝演劇部

 

 笑えるシーン次々なんだけど、個人的に最高だったのが、

2幕目ほどなくのナンバー「人生の神秘~誰かに恋して」。

トレヴァーとドロシーが一目で恋に落ちる場面だ。

お約束通り、歌からダンスへ。このダンスがすごいのなんのって。

 

 縦横に踊りまくって、なんとフィッシュ・ダイヴで決めた!と

思う間もなく、さらにクルクル踊りまくって、

最後は実咲の超高音でフィニッシュ。、

いやあ、こんなことをこなせる人がいるんだぁ!と驚き、

ちょっと感動すら覚えながら、笑い転げてしまった。

 

写真提供:東宝演劇部

 

 実咲はデキるだろうと思ったけれど、廣瀬にはもうびっくり。

昨年の『エニシング・ゴーズ』でコメディ・センスは証明済みだが、

ダンスまでうまいなんて知らなかった。

二人が「フィッシュ」を決めた瞬間、拍手しそうになったほど。

言わずもがなだけど、フィッシュ・ダイヴは

バレエのグラン・パ・ドゥ・ドゥでも決めの超絶技。

(もしかしたら”ほぼフィッシュ・ダイヴ”かもだけど、それでもスゴい。)

 

写真提供:東宝演劇部

 

 この舞台、脇キャラが濃くて、それを演じる俳優陣がまたうまい。

怪しいミセス・ミアーズを楽し気に演じる一路真輝。

人気歌手マジー、彼女がバケるオボコいオトメを

これまた楽しそうに演じる保坂知寿。

まだまだ書き足りないけれど、本日はこれにて。

 

東京・日比谷のシアタークリエで、9月7日(水)~26日(金)

大阪・新歌舞伎座で、10月1日(土)~2日(日)