即位70周年を迎えた英国のエリザベス女王。

「プラチナ・ジュビリー」関連で話題が尽きない。

つい先日も、パディントン・ベアとお茶をするユーモラスな

動画が話題になったばかり。

 

 そのチャーミングな人柄が堪能できる

ドキュメンタリー映画が『エリザベス 女王陛下の微笑み』。

25歳の若さで即位して以来、現在は96歳で現役国家元首

という驚異的な生涯を、貴重なアーカイブ映像を

ぞんぶんに使って綴る映画だ。

 

© Elizabeth Productions Limited 2021

 

 というと、堅そうに思えてしまうけれど、

全然そうではない。

なにしろ監督がノッティングヒルの恋人』の

ロジャー・ミシェルだしね。

全編通して、軽やかで、なんだかオシャレなのだ。

 

 もちろん、重要な史実はきっちり押さえてある。

また、エリザベス女王の「頑張るしかなかった」と自身を振り返る姿や

珍しく故ダイアナ妃について語った映像まである。

 

© Elizabeth Productions Limited 2021

 

 登場してくるのも、かのチャーチル首相から

ビートルズまで硬軟多彩。

ロンドン・オリンピックでの、あの007(もちろんダニエル・クレイグ)との

”共演”シーンもちゃんと入っている。

歴史ものとしてもしっかりしているうえで、

女王のキュートな顔を浮き彫りにするヒューマンものでもある。

 

 そして、これも魅力のポイントなのだけれど、

音楽の使い方がすごーくうまい!

映画冒頭で英国の国民的歌手ロビー・ウィリアムスが歌う

「Let me Entertain you」(あなたを楽しませてあげる)が流れて

陽気に物語(って、ノン・フィクションだけど)に誘うのを皮切りに

背景の音楽がドラマを語っている感じなのだ。

 

© Elizabeth Productions Limited 2021

 

 女王が王冠の重さを語るシーンニ「クラウン」

ファミリーの話には「アワ・ハウス」などなど。

「モナ・リザ」といったスタンダード・ナンバーから

当然、ビートルズまで。使われている多彩の曲が

映像のドラマを補強していて、

ちょっとしたミュージック・ビデオっぽくもある。

 

 こんなにスタイリッシュで楽しいドキュメンタリーには

お目にかかったことがない、と思えるほど。

 

STAR CHANNEL MOVIES配給

 

6月17日(金)から、TOHOシネマズシャンテ

Bunkamuraル・シネマほかで全国公開