やっぱりこれが観たかったんだ!

というのは、ミュージカル『雨に唄えば』来日公演のキャッチコピー。

本当に、コピーのままの気持ちになってしまう

幸福感があふれて、あふれて、あふれる舞台。

これ、これ、こんな楽しく素敵で贅沢なミュージカルを

見たかったんだよなあ、と、つくづく。

 

中央:アダム・クーパー

 

 2月2日(水)、初日。

コロナ禍による入国規制のあおりを思い切り受けて

当初予定より半月近く遅れての開幕だ。

 

 幕が開く前から、ワクワク感がとまらない。

舞台奥に隠れたオーケストラが奏でる

オーヴァーチュアが鳴り響いた瞬間、

一気に高揚感に包まれてしまった。

 

中央:キャシー役のシャーロット・ゴーチ

 

 物語は、もう説明するまでもなさそう。

でも、まあ、一応。

映画がサイレントからトーキーに移行する時期のハリウッドが背景。

スターのドン(アダム・クーパー)と

賭け出し女優のキャシー(シャーロット・ゴーチ)との

ロマンティック・コメディだ。

ざっくり言えば、そうなのだけれど、ドラマのキモは

スター女優リナ(ジェニー・ゲイナー)の吹替えを巡る騒動。

 

 名曲ぞろいのミュージカルで、見せ場の連続。

ドンの親友コズモ(ロス・マクローレン)が

とんでもなくアクロバティックなダンスを披露する「笑わせろ」とか、

ドンとキャシー、コズモ3人が軽快なダンスで見せる

「グッド・モーニング」とか…。

 

アダム・クーパー独壇場、「雨に唄えば」のシーン

 

 でも、やっぱりハイライトはこれ。

「雨に唄えば」のシーンだ。

降り注ぐ雨の中で、アダム・クーパーが歌い踊る、

極上の見せ場だ。

このシーンだけでも、満足感でいっぱいになるほど。

 

 ちなみに、客席の前方列の観客は

舞台からはねる水をよけるためのかぶりものをしている。

文字通り「かぶり付き」なのだけれど、

このかぶりものが、黄色いレインコートで、すごくかわいい。

 

カーテンコールまでゴージャス

 

 舞台は、暗転なしでものすごくテンポよくスムーズに展開するので、

1幕終わりまで、そして2幕の終わりまで、あっという間。

見ている側の幸福感は、ハッピーエンディングで最高潮。

 

 と思ったら、さらににぎやかなカーテンコールで

幸福感が弾けまくる。

カーテンコールなのに、本水降らし

総出で「雨に唄えば」を踊るのだもの。

なんて贅沢な時間。

 

2月13日(日)まで、東京・東急シアターオーブ

2月18日(金)~2月21日(日) 大阪・オリックス劇場