ああ、もう、眼福~♪とため息。

『ポーの一族』である。

正確には『ミュージカル・ゴシック ポーの一族』。

 

撮影:岸隆子(Studio Elenish )

 

 原作は、萩尾望都の名作漫画。

これが宝塚歌劇団花組でミュージカル化されたのは

2018年のこと。

脚本・演出を手がけた小池修一郎、念願の舞台化だった。

それも、主役エドガーを演じるにふさわしい

明日海りおの存在あってのうえ。

 

 明日海りおのエドガーと柚香光のアラン。

それは、もう、目がくらむような美々しさだったし、

永年の時を生き続けるバンパネラ物語という

耽美なファンタジーに、宝塚歌劇という器がぴったりだった。

 

撮影:岸隆子(Studio Elenish )

 

 その『ポーの一族』を、今度は男・女優で上演したのが、これ。

宝塚を卒業した明日海りおが再びエドガーを演じるので、

ある程度は安心もあったのだけど、

ここまで美々しい舞台になるなんて…。

 

 アラン役は千葉雄大。

金髪が似合って、中性的な雰囲気があって、役にぴったり。

明日海エドガーと千葉アランが並ぶと、

ほんと、二次元から抜け出たよう。

 

撮影:岸隆子(Studio Elenish )

 

 舞台は、宝塚版とほぼ同じ。

エドガーと妹のメリーベル(綺咲愛里)が

バンパネラになった経緯を描き、

19世紀後半のイギリス・ブラックプールで

エドガーとアランが出逢い…という展開だ。

印象では、ブラックプール以前が、ちょっと細かく

丁寧に描かれているような。

 

 綺咲メリーベルは愛らしいし、

夢咲ねねのシーラは、清楚から艶やかさへの変貌が見事だし、

その夫ポーツネル男爵役の小西遼生も映えるし、

いやあ、きれいなキャストばっかり。

もちろん、歌やダンス、動きも含めての「きれい」。

 

撮影:岸隆子(Studio Elenish )

 

 中村橋之助が、ブラックプールでの事件の

キーマンとなるジャン・クリフォード役で、ミュージカル初挑戦。

涼風真世が、バンパネラ一族の老ハンナと

霊能者ブラッヴァッキーの二役を演じてみせる。

いろいろ見どころがあって、目が忙しい。

壮大な舞台美術(松井るみ)も、すごいし。

 

 この舞台、大阪公演を終えての東京公演上演中。

ライブ配信もあるし、

大千穐楽は全国60の映画館でライブ・ビューイングもある。

ライブ・ビューイングは、台湾や香港の映画館でも

実施されるというから、なんかすごい。

 

企画・制作・主催:梅田芸術劇場

強力:宝塚歌劇団

 

2月17日(水)まで、東京・国際フォーラム ホールC

2月23日(火)から2月28日(日)まで、名古屋 御園座

 

公式ウェブサイト: