1月10日、

『劇団四季 The Bridge~歌の架け橋~』が開幕した。

新劇場・JR東日本四季劇場【春】の、

こけら落とし公演でもある。

初日大好きミュージカル・ファンとしては、

もちろん、いそいそと駆けつけた。

 

 いやぁ、楽しかった♪

しみじみと感慨深かった。

そして、元気をもらった。

 

【撮影:荒井 健】

 

 劇団四季の来し方を振り返り、

未来への夢を繋ぐ、という構成(高橋知伽江)だ。

オープニングは、飯野おさみの語り。

「地球の大火事がおさまって八つめの春・・・

十匹の 若い猫たちが集まった…」

 

 劇団四季の原点を、『キャッツ』の設定に

引っかけた詩(作・吉原幸子)で、

『キャッツ』初演プログラムに掲載されているそう。

初演も見てるし、プログラムも持ってるのに、

全然知らなかった…。

 

 それからは、上演作のせりふを織り交ぜつつの、

ソング&ダンスが華やかに展開。

テーマごとに7場に分けたナンバー構成なので、

上演時系列は関係なし。

 

【撮影:荒井 健】

 

 おおぉ!と思ったのは、

「アンダー・ザ・シー」と「パート・オブ・ユア・ワールド」の

ミックス・ヴァージョン(と言っていいのかな?)。

男優たちが「アンダー・・」を歌い、途中から

女優たちが「パート…」でリードを奪い、

最後は融合する曲アレンジ。編曲が素敵。

でもって、「ここが一番」×「他所もいいよ」

みたいなメッセージになってるのも、なんか、いい。

 

「サークル・オブ・ライフ」の振付も、

フラフープを使ったりして、楽しかった。

ここの振付は謝珠栄で、彼女らしい振付なんだけど、

『サークル…』に合わせると、すごく新鮮。

マッチングの妙、というか。

 

【撮影:荒井 健】

 

 衣装の一部は、丸山敬太が担当。

「KEITAMARUYAMA」ブランド展開で知られるデザイナーだ。

鮮やかな色使いとキュートなデザインが、目を引く。

ただ、個々で見れば素敵なのに、

マスになってのダンスだと映えないのが、ちょっと残念・

 

 この衣装を見ていて、ずいぶん前に

ケンゾー(高田賢三)が宝塚月組公演に

デザインした衣装を思い出した。

色もフォルムも素晴らしかったけれど、

フラット・シューズをあわせなきゃいけない、など

いろいろな指定が

宝塚ファンの美学とぶつかったなあ・・とか。

 

 舞台衣装のデザインって、

さまざまな制約があって大変だなあと思う。

でも、いろんなデザイナーに手がけていってほしい。

シャネルがジャン・コクトーの舞台衣装を手がけたように、

昔っから舞台とファッションは相性がいいんだもの。

 

【撮影:荒井 健】

 

 なんだか、どんどん本筋から離れてきてしまった。

『The Bridge』には、劇団四季の上演作から

30曲が次々に登場。

それそれを聞きながら、その舞台を初めて見た時の

ことを思い起こし、また、その作品を見たくなってくる。

いま、こんな不自由な状態だからこそ、

希望の灯が胸にともる。

 

『The Bridge』、もともとは2020年7月に【秋】での

上演予定だったのが、コロナ禍で大幅変更されたもの。

本来は『アナと雪の女王』がこけら落とし公演だったのだけれど、

結果的には『The Bridge』で良かったと思う。

新たに開場した劇場での、新たな一歩にふさわしい舞台なのだから。

 

演出:荒木美保

振付は、もうひとり、松島勇気

 

2月11日(木・祝)まで、東京・JR東日本四季劇場【春】

3月14日(日)~3月28日(日)、福岡・キャナルシティ劇場

4月16日(金)から全国公演