大晦日に初日を開けた『INSPIRE 陰陽師』は、

いろんな面で、まばゆい舞台だ。

 

 幕が開くと、平安時代の雅な光景。

その舞台から光が舞い散ると、

見ている方の気持ちも劇世界にワープ。

なんだか、TDLのスペースマウンテンで出発!

みたい気分。(個人的な感想です。)

 

幻想的な光のマジックいっぱい(撮影:岡千里)

 

 謎の日食が続く平安の世。

陰陽師・安倍晴明(大沢たかお)は、

盟友の藤原兼家(古川雄大、村井良太のWキャスト)と

盃を酌み交わしている。

傍で、歌人・蝉丸(山本耕史)が琵琶を奏でる。

 

 そのさなか、日食で辺りは闇に包まれる。

晴明らは物の怪と闘い、

兼家が犠牲になりながらも、とりあえずは勝利した。

 

導入は平安時代 (撮影:岡千里)

 

 時は流れて、令和の時代。

ここでも、日食が続き、闇が支配する

不穏な世の中になってきている。

晴明の魂を継ぐ天文学教授、

27代目蝉丸、そして兼家の魂を継ぐ医者が

再び結集しようとしていた。

 

 プロジェクション・マッピング、

イリュージョン、レーザー光線に

ファイバーライト(私には説明できない照明装置)

サーラウンド・サウンド(といって、いいのかな。臨場感あふれる音響)

などなど、まばゆい要素いっぱいの舞台。

 

左:大沢たかお、右:山本耕史 (撮影・岡千里)

 

 キャストも、まばゆい。

主演・大沢たかおをはじめ、よくぞ集めたなあ、

と感心してしまうほど、豪華。

兼家役のWキャストは、贅沢過ぎて、うらめしい。

観劇回は村井良太。良かったけど、古川雄大も見たくなる。

北斗(松岡広大)、南斗(鈴木仁)ら

式神は、主にダンスとアクション担当だ。

 

 芝居とダンスと音楽に、

あれこれのテクニカル・スタッフ大活躍の

大エンターテインメント。

一気に90分見入って、なんだかスッキリ。

なにせ、作品テーマは「除災招福」(by主催者)。

厄払いになったかも。

少なくとも、エンタメがくれる元気は、厄払い効果がありそう。

 

 タイトルの「INSPIRE」は、

演出の山田淳也の言(@劇場プログラム)によれば、

スペイン語で「呼吸」の意味だそう。

え、全集中!ってことかなぁ…。

 

2021年1月6日まで、東京・日生劇場