夢を追い続け、激動の時代を駆け抜けた男がいた。

元、薩摩藩士・五代友厚。

映画「天外者」(てんがらもん)の主人公だ。

演じるは、三浦春馬。

これは、彼の最後の主演映画でもある。

 

 幕末。ペリー来航で揺れる日本。

子供の頃から世界に興味を持っていた

才助(後の友厚、三浦春馬)は、長崎の海軍伝習所に

派遣されたのをきっかけに、大きく羽ばたいていく。

 

©2020「五代友厚」製作委員会

 

 貿易による日本の商業立国を説き、

ヨーロッパを視察するなど、

早くから海外に目を向けた男。。

明治政府の役人になった後も、

夢を実現すべく実業家に転身した男。

大阪を「東洋のマンチェスター」にしようと尽くし、

「東の渋沢栄一、西の五代友厚」と言われた人だ。

 

 クールな頭脳と熱いハートで

時代を駆る五代を取り巻くのは、

坂本龍馬(三浦翔平)や岩崎弥太郎(西川貴教)、

若き日の伊藤博文(森永悠希)ら。

五代の青春と壮年が、テンポよく描かれていく。

 

 主人公・五代に、三浦春馬自信を重ねずにはいられない。

颯爽たるアクション、涼やかなたたずまい、

温かな笑顔は、出演作でおなじみのものだ。

もっと言えば、夢を追い続けた人生も、そう。

 

 イギリスに留学し、ブロードウェイで見た

ミュージカル「キンキー・ブーツ」の出演を望み、実現。

ドラァグクイーン役で見事な演技を見せた彼は、

ブロードウェイの舞台にも、

遠からずも立てる逸材だったと思う。

 

 映画自体は、波乱万丈の一代記なのに、

勝手にあれこれ想いを馳せて

見ながら、ちょっと感傷的になってしまった。

 

配給:ギグリーボックス

12月11日(金)からTOHOシネマズ日比谷ほか

全国ロードショー