オリジナル・ミュージカル「ローマの休日」、

朝夏まなと×平方元基の主演ヴァージョン。

土屋太鳳×加藤和樹ヴァージョンとは

また趣きが違ってて、面白かった。

 

 朝夏まなと演じるアン王女は、凛として美しい。

いかにも世俗とは無縁に育った人らしい

超然とした雰囲気が、随所であふれる。

宝塚の元トップスターって、こういう感じ、

うまいなあ、と改めて思う。

 

写真提供:東宝演劇部

 

 平方元基のジョーは、茶目っ気があって闊達。

けっこうローマ駐在の日々を楽しんでいるようでもある。

朝夏と組むと、軽快なジョーVS動じないアン王女、

という構図に、基本、なる。

それが、堂々と無鉄砲なアンに慌てるジョーという

構図に逆転するのが、笑えて楽しい。

 

 ラストは、もうどちらも凛々しくて、切ないんだけども。

ここは、作品のキモだから、土屋太鳳×加藤和樹版も

同じアプローチだ。

 

実は、この朝夏×平方ヴァージョンを見たのは2週間近く前。

タイミングを逸して今頃書いている。

この時 ジョーの友達でカメラマンのアーヴィングは、

藤森慎吾だった。

演技が軽やかでコメディセンスがあるアーヴィング。

平方ジョーと組むと、気心が知れた男同士って感じ。

 

写真提供:東宝演劇部

 

 シャッフル・キャストだから、

別の組み合わせで見たら、また別の面白さや

発見もあったのだろうなと、いまさらながら残念。

シャッフル・キャストの楽しい面とうらめしい面だ。

 

 20年ぶり再演の「ローマの休日」、

すごくスッキリと締まった、とは前にも書いた。

ステージングが滑らかでテンポよくなったこともあるけれど、

音楽(大島ミチル)のおかげもありそう。

今回、新曲も加えたり、構成も変えたという。

具体的にどこが、というのまでは分からないのが、もどかしい。

(もう20年前の公演、忘れちゃってるし…)

 

写真提供:東宝演劇部

 

 テーマ・ナンバー「ローマの休日」。

1幕と2幕それぞれのラストを締める

アンとジョーのデュエット曲だ。

ちょっぴりノスタルジックで優しいメロディが印象的。

どうせなら、どこかに数コーラスとかアンダースコアで

入れ込めばいいのに、もったいないな~と、これは老婆心。

 

作詞は斉藤由貴。脚本は堀越真。

演出は山田和也。振付は桜木涼介。

 

東京公演は、あとわずか。10月28日まで帝国劇場。

12月19日~25日 名古屋・御園座

2021年1月1日~12日 福岡・博多座