宝塚花組「はいからさんが通る」を、やっと見た。

コロナ禍で上演延期になった舞台の、

ようやくの東京お目見えだ。

 

 時は大正。

はねっ返り娘、花村紅緒(華優希)と

陸軍少尉、伊集院忍(柚香光)との

波乱万丈ロマンティック・コメディだ。

原作コミックは映画化もドラマ化もされているので、

詳細は説明する必要もなさそう。

 

 とにかく、柚香光の麗しさときたら。

少女漫画からそのまま抜け出したような

凛々しい美青年ぶり。

颯爽とした立ち姿と華麗な所作。

お姫様抱っこから壁ドンまで、

オトメ心を射抜くしかけもたっぷりで、

いや、もう眼福。

 

 華も愛らしくて役にぴったりだし、

青江冬星役の瀬戸かずやがまたカッコいい。

この舞台、17年に同じキャストで上演した作品を

ヴァージョン・アップしたものだけに、

展開も演出もとてもこなれている。

テンポよく弾む、すごく楽しい舞台に、大満足

 

 だけれど、実は、胸の奥にはちょっぴり

モヤモヤが残ってたりもする。

 

 これって、柚香光のトップ披露なんだよねー?

だのに、ほぼ再演のような形で、

紅緒が主役ポジションのままでいいのかなー?とか。

 

 ウィーン版「エリザベート」を宝塚で初演したとき、

主役をトートに変えてしまったように、

とまでは言わないけれど、

もう少しトップ披露っぽい見せ場は欲しかったなあと、

思うのは、ヨクバリかしらん。

せめて、5分くらいのプロローグを付けて

伊集院少尉の華麗な姿をバーンと見せてくれるとか…。

ついつい、ないものねだりの妄想しちゃってる。

 

 もちろん、柚香が役にこれ以上ないほど似合っていて、

主役オーラが格段にまばゆいので、

このままでも十二分に、うっとりだし、

舞台自体は素敵に楽しいんだけども、ね。