映像が捕らえる光景が美しい。
光も色も、サンフランシスコの風景も。
その街で生まれ育ったジミー(ジミー・フェイルズ)は、
美しいヴィクトリアン様式の一軒の家を愛している。
祖父が建て、かつて家族で過ごした家だ。
いまは他人が住んでいるのに、
勝手に手入れするほど大切に思っているのだ。
©2019 A24 Distribution,LLC.All rights reserved.
家が売りに出された。
なんとか手に入れたいと奔走するジミー。
再開発でハネ上がった家の値段は、
彼にはとうてい手が届きそうもない。
そんな彼を、親友モント(ジョナサン・メジャーズ)は
温かく支え続ける。
©2019 A24 Distribution,LLC.All rights reserved.
美しい家は、ジミーの思い出と夢の象徴。
入手が阻まれていくに従い、
彼は現実に向き合わざるを得なくなる。
それは、彼が一歩成熟したことでもある。
切なく、ほろ苦い展開だ。
©2019 A24 Distribution,LLC.All rights reserved.
と、単純化して書いたけれど、
作品に内包されるものは多い。
経済成長や都市開発からはじき出された者たちの姿。
変わっていくものと変わらないもの。
家族の絆や葛藤、友情の優しさ…。
などなど、ちりばめられた多彩なテーマは
映画を観て見つけてほしい。
きっと、人ぞれぞれに見つかるものがあるはずだから。
©2019 A24 Distribution,LLC.All rights reserved.
それほど余韻のある作品。
製作は、ブラッド・ピットが率いるプランBとA24。
アカデミー賞受賞作「ムーンライト」の製作陣だ。
監督はジミー・タルボット。
配給:ファントム・フィルム
10月9日から東京・新宿シネマカリテ、シネマクイントほか
全国ロードショー