うれしいメールが来た。

シアーシャ・ローナン主演「ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語」

(ソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント配給)の公開が、

6月12日に決まった、というお知らせだ。

大好きな作品で、本来は3月27日に公開の予定だったのだ。

こうしたメジャー系作品の公開日が決まると、

映画界もようやく動き出したなあ、と実感できて、それもうれしい。

 

 映画は、19世紀後半のアメリカを背景に、マーチ家の四姉妹を描くもの。

作家志望の次女ジョー(シアーシャ・ローナン)のドラマを軸に、

長女メグ(エマ・ワトソン)、三女ベス(エリザ・スカンレン)、

末っ子エイミー(フローレンス・ビュー)ら、個性の異なる姉妹の

姿がみずみずしく描き出される。

 

 映画の原作はルイザ・メイ・オルコットの小説「若草物語」。

女の子たちの永遠の愛読書とあって、映画化も何度か。

古いところで有名なのは、キャサリーン・ヘップバーンが

ジョーを演じた、1933年版だろうか。

新しめでは、ウィノナ・ライダーがジョーを演じた94年版がある。

 

 でも、映画史的に重要なのは、49年版だろう。

次女ジョーにジューン・アリソン、長女メグにジャネット・リー、

三女エイミーにエリザベス・テイラー、末っ子ベスにマーガレット・オブライエン、

といった、当時の若手人気女優勢ぞろい作品だ。

 

 ここで、えっ?と思った人、いるはず。

そう、49年版では、三女と四女の順番が入れ替わっているのだ。

それは、どうしてもエリザベス・テイラーをキャスティングしたかったから。

年齢的には三女ベスがふさわしいけれど、華やかなテイラーには

内気で病弱なベスは似合わない、ということでエイミー役となり、

役の年齢も上げちゃった、というわけ。

 

 さて、今回の「若草物語」、正確には「ストーリー・オブ・マイライフ/

わたしの若草物語」はグレタ・ガーウィグの監督・脚本。

ジョー役のシアーシャ・ローナンとは「レディ・バード」でも組んでいる。

今回の作品の魅力的なところは、ジョーが自立していくさまが

しなやかに描かれていること。

 

 四姉妹それぞれをチャーミングに見せてくれるのも、素敵。

過去作では、割と一面的だったメグが、ここでは多面的なのも、いいなあ。

これって、エマ・ワトソン効果もなくはなさそうだけど、

やっぱり監督・脚本の力だろうな、と思う。

原作への愛がすっごく伝わってくるのだ。

 

 コロナ鬱からの脱却に効きそうな映画。