外出自粛をしているうちに、気候はすっかり初夏。

3月始めに買った春物ブラウスは陽の目を見ないまま、

季節に置き去りにされてしまった。

 

 そもそもバカな買い物ではあった。

年甲斐もなく、ジル・スチュワートのブラウスを買ってしまうなんて。

個人的には、ジルって、女子力高めとか女子力アゲたい系の20代から

30代前半あたりまでのブランドだという認識。

ババア力増強中のオバさんが買うべきものじゃない、と思ってはいる。

 

 だけど、時々ショップに吸い寄せられてしまう。

よく行く百貨店の、よくチェックするショップと同じフロアにあって、

他を見るついでに見てしまうせいでもある。

そうすると、レースだのチュールだのに目を奪われて、

気持ちは何光年の昔のオトメに戻ってしまうのだ。

 

 たいていは、そこまで。歯止めは利く。オトナだもん。

ところが、たま~にバカをしでかす。

帰途ですでに、しまった!と後悔したりしてる。

それでも諦めはつく。買っただけで80パーセントくらい気がすんでいるから。

まあ、ストレス解消代と割り切ろうとする。お酒飲めない質なので、その代わりというか。

 

 で、またもや、やっちまった。春ブラウス。

ひとつには、映画の試写もメジャー系がなくなり、

ミュージカルは次々に公演中止になるなかで、気分をアゲたかったせいもある。

ただ、部分レースの透け感がきれいなこのブラウス、

ジャケットのインナーにならOKだなあ、と判断。

着る気は満々だったのだ。

 

 そりゃあ、今でも着る気になれば着られる。

でも、ジャケットなしの1枚で着たら、きっと超若作りしているアヤしいババアに見える。

それは、避けたい。一応、見た目のアホっぽさを覆い隠すべく、

服装は気にしているのだ。(知人には「それで!?」とか言われそうだが)

 

 というわけで、今シーズン買った春ブラウスは出番のないまま

先シーズンものへとなっていくさだめとなったのだった。

かわいそうなブラウス。

そして、かわいそうな私の通帳。(あ、カード決済なので。)