東京都から時短営業の「命令」を受けた飲食チェーン「グローバルダイニング」が、命令は違法だとして、22日、都に損害賠償を求める訴訟を起こした。都は先週、午後8時までの時短「要請」に応じなかった飲食店32店に対し、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法45条に基づく時短「命令」を出した。都内で時短「要請」を拒否した店は2000以上あったが、18日に時短を命じられた27店のうち26店が「グローバルダイニング」経営の店だった。都は翌19日、5店を追加している。

 

 

ちなみに損害賠償の請求額は104円。1店舗1円で26店舗×4日で104円だと。まあお金じゃないってことだ。勝ち負けでなくこの事実を社会に投げかけたかったってことだね。

 

確かにこの訴訟がなければ僕もこんな事実知らなかった。記事を見る限りグローバルダイニングは完全にスケープゴートにされた形。

 

弁護士いわく、「時短要請に従わないことをホームページやSNSで発信したから狙い撃ちされた」と。記者会見に同席した社長も怒りがおさまらないといった感じだった。

 

 

グローバルダイニングのお店は僕もよく行っていた。モンスーンカフェとかゼストとか。打ち合わせでもよく使っていた。

 

カジュアルで入りやすくて料理も美味しいし。

 

で、一番行ってたのが銀座のG-zoneの店舗なんだけど、ここ昨年7月に5店舗全部閉店したようだ。悲しい。

 

グローバルダイニングは今年1月の時点で41店舗。年間売上はこれまでは100億円くらいだったんだけど、コロナが始まった2020年はだいたい50億円くらい(よく半減くらいで済んでるな)。

 

 

ということで、この状況でグローバルダイニングの経営者がすべきことは何なのかを考えてみたいと思う。

 

まず感じるのは、「この訴訟って何か意味あるの?」ってこと。

 

だって勝っても104円もらえるだけ。そりゃあ社会にはその不公平さが認知されるだろうけど、だから何なのだろう。それが何の利益になる?社会貢献の一環か?正義感なのか?ただ頭に血が上った勢いか??

 

どれにしても時間とお金の無駄使いだ。

 

だって経営者ですよ。会社経営ですよ。41店舗、社員200人以上(アルバイトを入れたらもっと)の会社の。

 

この行為は会社を維持すること、向上させること、利益をもたらすことから逸脱しているんじゃないかな。

 

「個人の飲食店が不当な扱いを受けて1500万円の訴訟」っていうならまだわかる。でもグローバルダイニングの経営者がやることじゃないよ。

 

ちゃんとコロナ対策もしっかりやってお客様を呼び込めていて、ある程度うまくやれているのだとは思う。売上半減で済んでるのだから。

 

でも、それでも経営者がこんな訴訟に時間とお金と意識を割くのはバカげているし冷静さを欠いている。

 

今大事なのは “中のこと” だ。

 

不安を抱えたまま働いている従業員とその家族の方に目を向け、もっともっとアイディアと行動力で売上を伸ばし、安定させることに注力すべきだ。

 

確かにそういう考えがあったからこそ、大幅に売上を落とすであろう休業要請には従わない姿勢をとっていたのだろうけど。でもやはりこの訴訟は要らなかった。

 

G-zoneの5店舗は実際潰れたわけだ。正社員は異動になっただろうけどアルバイトは多分契約終了になったんじゃないかな。

 

他店の従業員は皆、“明日は我が身”と落ち着かない日々を過ごしているはず。

 

それならやはり経営者としては、これまで年間100億もの売上を作るために頑張ってくれた従業員達に、「大丈夫だ、心配するな」と言える経営を今こそすべきじゃないか。

 

綺麗事に聞こえる人もいるかもしれない。

 

でもこれは、「結局はそこなんだ」と、多くの経営者が気付く部分でもある。

 

「訴訟と同時並行に経営もしっかりやっている」というのだろうけど、末端の従業員からしたら、あの会見を見たら「イヤそんなことよりもっと、、」って感じるんじゃないかな。

 

好きだったお店なだけに、何とかこの危機を乗り越えて欲しいと思う。今こそ社長力を発揮して。