《新宿駅の小田急線ホームに「無料でスマホ充電できる」ベンチ新設!》
新宿駅の小田急ロマンスカーが発着する2・3番線ホームに、既存のベンチに替わり、USBポート付きの「チャージングベンチ」が新設された。1台につき差込口は4つ。全部で10台設置されており、同プラットフォームの利用客は無料でチャージすることができる。ロマンスカーは外国人旅行客の利用も少なくないため、あらゆる国の人が簡単に使えるよう、プラグではなくUSBポートを採用。ベンチのサイドには大きなアイコンマークがデザインされており、チャージポイントであることが遠目からでも認識可能。座面を従来のベンチから50mm高くすることで、立ち上がる際の負担軽減を図るなど、細かな気遣いが行き届いている。開発を手がけた「アドセック」によると、駅空間をチャージングステーションとし、「待つ」時間を「価値ある」時間に変えて、「価値ある駅」に進化させることが狙いとのこと。小田急線にとって、新宿駅は1日平均約52万人が乗り降りする同社最大のターミナル。これまでもフリーWi-Fiや手荷物の一時預かり、トイレ環境の整備など、利用客のニーズを汲んださまざまなサービスに取り組んでおり、今後も利便性の向上に努めていくそうだ。
なるほどね。オシャレでわかりやすいデザインだ。外国人も一発でわかるね。
さてこのベンチ、新宿駅全体にあるわけではない。あるのは小田急線ホームのみ。経営者の皆さんなら、僕が今日この記事を取り上げた意味がわかるはず。そう、ここでやっているのは「差別化」だ。ひとえに新宿駅と言っても、中身は複数の別会社路線の集合体だ。JRや小田急や京王や都営地下鉄。行けばわかるが、それぞれの会社で改札やホーム、車両まで明らかにデザインが違う。同じ新宿駅だが全く別の会社ってことが容易にわかる。当然行先は違うわけだから顧客が丸被りすることは少ない。それでもこうやって顧客満足度向上に取り組むってことは、そのことで顧客の動向までも変えてしまう可能性があるってことだ。出掛けるのもそうだけど住んだり会社作ったりもね。小田急からすればホームの顧客満足度を上げることで小田急線沿線に住んでくれれば、結果的に小田急線利用者が増える、つまり売上が上がるということになる。
更にはこのベンチ、充電ができるだけでなくオシャレだよね。これも重要。便利さだけならベンチじゃなくてもホームの柱にUSBポートを付ければコストもかからないし利用者も使いやすかったりする。でもあえてオシャレに作ったのは、「ウチはオシャレ路線ですよ」ってアピールしてるってことだ。オシャレ度が上がればそれもまた路線人気に繋がるからね。
ということで充電ができるベンチ。小さいことに思えるかもしれないが、実は大きな利益の可能性を秘めていて、またそこを小田急も狙っていると見える。

