イタリアの国家財産庁は、現在、歴史的な国有財産の一部をオークションに出品している。これには、国有の建物を売却することで、2.3兆ユーロにも及ぶ公的債務の返済に充てるという目的がある。オンラインで購入できる物件は100近く。ヴェネツィアの元修道院のような壮大な建物やピアチェンツァのルネッサンス様式の宮殿、そのほかにも、中世からの伝統を受け継ぐ風光明媚な村のアパート、ベルガモの歴史的中心部にある4階建ての住宅、城、海辺のヴィラなど、その内容はじつにさまざま。そのほとんどが数百万ユーロの価格で設定されている。物件について紹介するWEBサイト(https://www.agenziademanio.it/opencms/it/)では、写真と概要の説明だけでなく、詳細を知ることができるバーチャルツアーなども用意。初回のオークションはすでに先週開催されたが、11月にも開催予定。今の段階で購入ができれば、後々は世界遺産のオーナーに……なんてこともありえる。イタリアの苦肉の策ともとれる奇抜なアイデアではあるが、なんとも夢のある施策だ。と。なるほどね。

背に腹は代えられないということか。これまでどんなに苦しくても手を付けてこなかった財産も手放すってことだ。イタリアの債務は計算すると日本円で約278兆円。で、売りに出されている物件が数百万ユーロってことなんで、どれも1億円は超えてると。ものにもよるが、これはじゃんじゃん売れそうだね。まあ日本でも文化遺産は無いけどビルとか土地とか中国などの外国人・外国企業のものになっているとこも結構ある。知らないだけで。ただ、これが文化遺産となるとねぇ。プライドもあるし、日本だとなんだがバチが当たりそうな感じもあるよね。それはイタリアも同じだろうけど、もうそこまで切羽詰まっているということだな。さて、これを外国人・外国企業が買うとする。購入にどういう条件が付いているかわからないが、例えばこれまで見物できていたところが入れなくなる可能性が出てくる。内装を今風に変えてオフィスや住宅にするところも出てくる。単純にその土地が欲しかったってことで建物は壊すことだってあるだろうね。見物料を取って商売するところもあるはず。値上げもするだろうな。まあどのパターンも税金は多少取れても利益が出るようならそれは国外に流れることになる。まあどうなるかわからないが、このパターンを許すと、「国」ってのは包装紙で、中身は「外国」って構造が一層進んでいくだろうね。まあビジネスだけで言えば既に「国」のボーダーが薄まってきていて、どこにいてもグローバルに仕事ができるが。ビジネスなら良いことだが、それ以外だとなかなか微妙だね。

とにかくイタリアには、ここから経済を立て直し、いずれ売った国有財産をまた買い戻して欲しいね。