空の上でもサステイナブルな社会実現に向けた動きが活発化している。ここに紹介するのは機内食専用のトレイで、エアラインのキャビンインテリアを手がける、ロンドンのデザインスタジオ「Priestmangoode」によるもの。従来の機内食のイメージを覆すデザインもさることながら、プラスチック廃棄物削減のため、天然素材を原料とする生分解性の素材を用いたところに意味がある。同社いわく、一度の長距離フライトで一人当たり平均して約500gのプラスチック廃棄物が出るという。そこに着目したのがこのトレイとコンポーネントだ。どれも堆肥化可能な天然素材。材質はコーヒーかす、米のもみ殻、海藻類。カトラリーはココナッツの実から削り出したもの。企画段階のためコスト感は不明だが、プラスチック製の味気ない食器や乱雑に包まれたアルミホイルを目にするよりも、なんだかワクワクしてくるのは気のせいではないはずだ。と。なるほど。

まあ書いてある通りコストがちょっと微妙だろうけど、でもこれ実現できそうだよね。

さて、世界はエコへ加速している。最近はこのプラスチック削減が目立つね。エコと聞くとやはりシンプルデザインというか、まあダサいものも多かった。でもそこは「エコだからしょうがないか」という捉え方だった。デザイン性を求めるのであればエコじゃないものの方を選択する形だ。でもこれからは違う。基本が全てエコになる。つまりエコが標準になるから、「エコ」という言葉自体消えるか、もしくはもう一段階昇華したものを指す言葉になるだろうね。エコが当たり前の世界になった時、「エコだからデザインはしょうがない」は通じなくなる。つまり、エコをデザインの障壁にしてはいけない世の中になる。なのでこういった、“エコ+デザイン性” は重要だし、これが今後のスタンダードになってくる。

良いデザインは人の脳と心を刺激できる。それが幸福だったり高揚感だったりやる気だったりに繋がってくる。確かに売るために必要な要素だが、デザインにはもっと深く強い力があることを知って欲しいなと思う。