日産自動車が業績立て直しに向けて生産体制を見直すため、早期退職なども含めて世界で1万人超の人員削減を計画していることが23日、分かった。固定費削減による利益水準の引き上げを目指し、5月に公表した4800人から大幅に積み増す。関係者が明らかにした。25日に予定する2019年4~6月期決算発表時に示す見通しだ。削減対象は、利益水準の低い海外の工場が中心となる見込みだ。日本国内でも一部の生産ライン縮小などで、生産の効率化を図るとみられると。なるほどね。
日産の従業員数は全世界で約13万9000人。なので1割弱の人員削減だからかなりの数だね。まあそれくらい削減しないことには、目指している利益水準に到達できないと判断しているってことだね。
この動きを見て、強く思うことがあるのは僕だけじゃないはずだ。かつて(と言ってもそんなに昔じゃないが)日産の立て直しのために招聘したカルロス・ゴーン氏。彼の異名は「コストキラー」だった。日本人だとなかなか踏み込めなかった “人件費削減” を大胆に行い、日産の危機を救った。人件費削減だけが危機を救ったと言うと語弊があるが、そういった大胆なビジョンと施策こそが日産を復活させたと言って間違いじゃない。
あれから20年。英雄だったゴーン氏は犯罪者となり、救いの手を差し伸べてくれたルノーとは、“乗っ取り” を警戒した微妙な距離感だ。そして日産自身はというと、またも経営立て直しのための人件費削減だ。
会社を経営していく上で、会社を守るため、そしてもっと多くの人を守るために人を切るのは仕方のないことだとは思う。でも日産はあの時学んだはずじゃなかったのか。今後二度と、人件費に手を付けるようなことが無いよう経営していくと。経営陣はこの20年間何をしていたのだろう。
これはまた繰り返すよ。しかももっと短いスパンで。だから次は10年後かもしれない。そうやって繰り返し繰り返し縮小していって、ついには消えなくなるんじゃないかな。
