ニューヨークに本店を構える老舗高級百貨店、バーニーズ・ニューヨークが破産法の申請を検討していると欧米の複数のメディアが報じ、話題となっている。バーニーズNYは1923年創業の老舗で、ニューヨークに複数店舗を構えるほか、米国主要都市に28店舗を展開。高いブランド力を誇るが、ECサイトとの競合による不振や、拠点のニューヨークの家賃高騰で経営不振に陥っているという。日本でのバーニーズブランドによる百貨店事業は(株)バーニーズジャパンが展開している。ただ、ライセンス経営のため、バーニーズNYと直接の資本関係はない。バーニーズJPは、(株)伊勢丹とバーニーズNYの事業提携により誕生し、2015年に(株)セブン&アイ・ホールディングスが100%子会社化した。現在は新宿、銀座、六本木、横浜、神戸、福岡の6店舗とアウトレット店6店舗の直営12店舗を展開していると。なるほど。まあ本家が潰れても日本のバーニーズは関係ないってことだ。

バーニーズニューヨークと言うと僕は、新宿店に若い頃ちょいちょい入った記憶がある。新宿に良く飲みに行ってた頃だから多分大学生くらい。ドアマンがいて開けてくれるので優越感があった。今もいるのかな?いわゆるセレクトショップなんだけど、印象としてはちょっと高級。まあでも大学生が入るくらいだから、頑張れば手が届くくらいの価格帯だった気がする。今はどうか知らないが。

さて、本家バーニーズ云々は置いといて、今の時代にこのチョイ高ブランドショップはどうやって生きていけばいいのか。日本でも同様にネット通販も増え、ファストファッションが主流となり、逆に高級ブランドはそれなりの層をガッチリ掴んでいる。そういった中、微妙なラインをいくバーニーズは難しい立ち位置だ。昔の僕らのような、頑張れば手が届くくらいの客達は今はもう殆どいないだろう。それらは全て、ファストファッション支持層へ移行していると見る。パックリ2つに分かれた客層の、中間からやや高級寄りにいるバーニーズは本当に苦しい時を過ごしているだろうと推測できる。

この状況になってしまった原因は何か?それは、以前いた客がもう、バーニーズにステイタスを感じなくなってしまったからだ。具体的に言うと、バーニーズのことが好きな客と、「たまにはバーニーズで買い物してみようかな」って客の両方が減ったってことだ。つまり単純に、客を逃がしていると言える。

この部分は企業努力だ。以前に比べ、難しい立ち位置になってしまっていることは確かだが、企業努力で改善できた部分でもある。というかこれからでも改善できるはず。まずはブランディングだ。「変える」のではなく「強固にする」動きが必要だね。今のちょっと落ち着いた雰囲気は、見方によっては何もしていないようにも見える。どっしり構えてても、今は売れない。バーニーズらしく、スタイリッシュでありながら力強く攻める動きが欲しいところだね。