「サンマルクカフェ」の失速が鮮明だ。拡大路線を進んできたが、ここ数年の店舗数は伸び悩んでいる。2019年3月末時点のサンマルクの店舗数は404店。1年前からは、わずか2店増にとどまった。数年前までは年に20店程度増えていたが、ここ数年の年間増加数は10店に満たない。店舗数の伸びが明らかに失速している。既存店売上高の苦戦も続いている。19年3月期は前期比1.0%減と、マイナス成長だった。前期である18年3月期も不調で、17年3月期から2.5%も減っていた。各店の稼ぐ力が衰えていることは明らかだ。カフェチェーン業界では、「スターバックス」と「コメダ珈琲店」が店舗数を大きく伸ばして存在感を高めている。スタバは1400店超、コメダは800店超を展開し、どちらもまだ成長途上だ。サンマルクを尻目に、今も店舗増が続いていると。なるほどね。

まあ確かに、サンマルクカフェって聞くと、僕はちょっと冴えない感じがすぐ思い浮かぶ。ターゲットを絞り切れていなくて、“誰でも来てOK感” を捨てきれないダサい店だ。価格帯から言うと競合はドトールやベローチェになるが、どう考えてもその二つに適うはずはない。

顧客満足度指数というのがあったので載せてみる。

とりあえずどれも4位以内には入れてないってことだね。細かいことは置いといて、カフェの印象を考えてみる。これがパッと出てこなければ、客の脳ミソにもインプットされていないということ。つまりカフェの選択肢に入っていないってことだ。

ドトールは「安い、コーヒーが美味い、ミラノサンド、黄色と黒、どこにでもある」。こんな感じ。ベローチェは「安い、店内がちょいレトロ風、赤茶色、サンドイッチが美味い」かな。スタバは「おしゃれ、フラペチーノ、緑、やや高い、居心地良い」。コメダは「モーニング、シロノワール、オレンジ色、コメダ感」だね。コメダに至ってはもう “コメダ感” と言っていい。それくらいの特徴的な印象がある。ではサンマルクはどうか?「チョコクロ、オレンジ色、分煙」。こんな感じかな。特徴を出せるとしたらチョコクロくらいかな。でもそれだけじゃ如何せん弱いね。

ドリンク系も、スタバやコメダを真似てるような微妙なものが多い。内装のおしゃれ感も微妙。もっといっちゃっていいのにって思う。つまりどれを取っても中途半端なんだよね。それはそのまま客にも伝わってしまっている。だからカフェを探す時はみんな、その時の状況に合わせてスタバかドトールを探す。サンマルクを探すって人は多分少ない。妥協で、「あそこのサンマルクもあったしな」と、スタバやドトールが無かった時の保険でしかない。まあサンマルクファンも当然いるだろうけど、今の中途半端な営業だと客が増えることは無いね。つまり店舗数も増えないし、売上も増えない。

最初に述べたがこれは、ターゲットを絞れず、“誰でも来てOK感” を捨てきれない店づくりが生み出したものだ。まあこういうのはサンマルクに限ったことではないけどね。売れない原因は、「ターゲットを絞る」、つまり「ターゲット以外を捨てる」ことができないことだ。

サンマルクはこのままでいいとは思っていないだろうけど、例えばちょっとタピオカドリンク出したくらいじゃ全然変わらないからね。競合他カフェの力強さを見ると、しっかり考えて変えてかないと下る一歩だよ。