イオンが5日発表した2019年3~5月期連結決算は、傘下企業の不適切会計問題による修正額を一括計上した影響で、純損益が43億円の赤字(前年同期は65億円の黒字)となった。3~5月期として純損益の赤字は3年ぶり。本業のもうけを示す営業利益は前年同期比30.0%減の277億円だった。営業減益は3年ぶり。食品スーパー事業で人件費や電気代が高騰し、客数も伸び悩んだことが響いた。食品スーパーの苦戦に加えて、総合スーパー事業も気温の低下により衣料品の販売が不調だった。総合金融事業もキャッシュレス化推進のための費用がかさみ、伸びなかった、と。

なんだかこれだけ見ると “赤字” とか“減益” が目立ってしまうな。でもイオンがそこまで悪いはずはない。と思ったのでもうちょっと調べてみた。

まずイオンは、5月に発覚した子会社での不適切な会計処理について、その影響額を今回の決算で一括計上した。だから結果的に大幅な赤字になってしまった。営業利益は30%減の277億円ということだが、この子会社の不正会計の影響を除けば7%増の422億円だった。更に売上高にあたる営業収益は1%増の2兆1163億円と、3~5月期としては過去最高だったと。なんだやっぱり悪くないじゃん、ってことだ。

このニュースだけだとまるでイオンが落ち込んでいるように思われちゃう。まあ今決算が赤字であることは間違いではないんだけど。普通は僕みたいに深堀りして調べたりしないから、ニュースに書いてあるまま受け取ってしまう。危ないねぇ。それだけで株価が下がったりするんだからさ。まあでも不正会計の時にその分が余計にプラスされていたわけだから、まあこれでチャラだね。

ちなみに「子会社の不正会計」っていうのは、家事代行サービスを手掛けるカジタク(東京・中央)の中古複写機の再販ビジネスで、ユーザー側に未設置の案件を売上高に計上していたと。実態のない取引による架空の売り上げ計上もあったと。なるほどね。売ってないのに売ったって言ってたってことだな。