2019年6月8日・9日に行われた「B'z LIVE-GYM 2019 -Whole Lotta NEW LOVE-」で、鹿児島アリーナ行きの臨時バスが運行された。そのバスの側面にある行き先表示に「愛のままに」→「わがままに」→「僕は君だけを」→「傷つけない」と。これはB'zの曲、「愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない」の歌詞。これらは鹿児島市営バスが独自でやっていると。車内アナウンスも「家に着くまでがライブです」「思い出の忘れ物ございませんよう」と。これに関しても乗務員に任せているとのことらしい。この取り組みはB'zに限らずやっていて、2013年にMr.Childrenのライブで実施して以来続けていると。いいねぇこういうの。ライブに来た客にとってはテンションの上がる演出だ。
ただ客を目的地に運ぶ乗り物ではなく、ライブの “盛り上げ役” としてお客を楽しませようという心意気が気持ちいい。これが直接的に鹿児島市営バスの利益になることは無いが、そんなことは別に考えていない。それよりもお客が楽しんでくれるのを、またこっちも楽しんでいる感じがある。
こういうのはサラッと触れて終わりにした方が気持ちいいのだが、ちょっとだけ話すと、やっぱ商売の原点はここにある。客を楽しませようとする気持ち。商売はWINWINで成り立つ。需要と供給のバランスで成り立つ。でもその原点は、「こうやったらもっと喜ぶだろうな♪」という売り手側の気持ちだ。「これでどうだ!」「こんなの最高でしょ?」とニヤけながら商品・サービスを作る。それを実際買った客が嬉しそうな反応をする。それを見てまたニヤニヤする。それが商売の楽しさだ。売り手の勝手な自己満足だけになったらマズいが、喜ぶ客の姿を思い描くからこそ、より良いものを作ることができる。それが結果的に良いものとして残っていき、逆に良くなければ淘汰されていくのが商売というものだ。
お客が楽しみ自分も楽しむ。気持ちのWINWIN。商売は常にそうありたい。
