東京急行電鉄(東急電鉄、東京都渋谷区)は5月、駅の券売機で現金を下ろせる「キャッシュアウト・サービス」を全国に先駆けて始めたと。キャッシュアウト・サービスとは、小売店のレジなど銀行のATM以外の機器を使って、銀行口座から預金を引き出せる仕組みのこと。欧米では広く利用されているサービスだが、国内ではイオンが各店舗のレジで導入している程度と。

いや~久々に素晴らしいニュース記事を目にした。これはかなり良いな。現在、駅の券売機は利用者数減少から、その台数も減らされている。東急電鉄では10年前のピーク時に600台あったのが今は約300台だと。まあスイカやパスモが普及してるからね。ただ、現金で切符を買う人もいるから券売機は無くせない。お年寄りは現金でしか買わない人も多いだろうし、子供がチャージしてあるスイカを無くしても困るので、あえて現金で切符を買わせる親もいるのだと。なのでこれは、無くせない券売機に新たな機能を持たせようという取り組みだ。

現金の引き出し方はスマホアプリからQRコードを出してリーダーにかざすと現金が出てくると。券売機にはもともとQRコードリーダーが付いているので、それをそのまま活用できると。引き出せる金額は「1万円」「2万円」「3万円」のみ。ここがまた素晴らしい理由の一つ。券売機には事前におつり用現金を入れてあるのだが、これは券売とキャッシュアウトの共用。なので千円札や小銭を引き出せることにしてしまうと、券売時のおつりが切れる可能性がある。券売機として利用する場合、1万円札で買う人もいるからね。あとはスイカチャージを1万円札でする人もいる。つまり券売機において1万円札は、入ってくるが出ていく可能性は無い。なのでキャッシュアウトの方でその逆、つまり1万円札のみが出ていく仕組みにすればおつり切れを限りなく防げると。頭いいねぇ。

記事には、「キャッシュレス化に逆行しているようにも見えるが、実はいざという時にスマホさえあれば現金も引き出せるという安心感を与えることができる。むしろキャッシュレス社会を後押しする存在になり得るのかもしれない」と。なるほどね。確かにそうだ。僕も田舎に来てから財布に入っている現金が増えた。引き出せる場所が少ないからだ。東京にいた頃はいつでもどこでも引き出せたしカードも使えたから、財布の現金はそんなに気にしたことがなかった。

この素晴らしいアイディア、実は2017年に東急電鉄が新たなビジネスをグループ全社員から募る「社内起業家育成制度」で、券売機をはじめとした駅施設を活用した新規事業としてアイデアを応募したところから始まったと。つまり社内から出てきたってことだ。すごいね。

そう言えば昨日書いたみずほ銀行の記事。みずほ社長はこんなのをイメージしていたのかもしれないな。

 

提携銀行は6月現在、まだ横浜銀行とゆうちょ銀行のみと。ただこれは、今後もっと広まっていくだろうね。